Bird Writing

思うがままに

【泡沫のユークロニア】淡雪【ネタバレ感想】


泡沫のユークロニア
淡雪ルートのネタバレしかありません!!!

自己責任でお願いします!!!




おはようございます、やちょうさんです。






Q、個別感想は依さまだけと言っていませんでしたか?


A、収まりきるわけないだろう!?この爆重従者の感想がよ……!!




ということで
公式プロフィールですら
『重めの愛情表現が目立つ』と紹介されている
保護者 兼 従者 兼
わたしの推しターゲット

好き勝手好きな部分だけ書きます。



対戦よろしくお願いします。



⚠️『泡沫のユークロニア』全ルートのネタバレがあります。




▽ 重めの愛情表現が目立つ従者



ごめん、初手からいい…………?


淡雪くん、




ハッピーエンド…………


0…………ッ点!!!!!!




バッドエンド…………


10000点!!!!!!!!




ということですまない、BADENDの話だけしていいか?(いかれてる?)



いや〜、だってこんなんさ、
こんなんBADENDが正史じゃないの!?
わたし淡雪との決着は、外の世界に飛び立つ→そして身分差なくハッピーエンドだと思ってたので
まさかそんな雛菊ちゃんが家を手放さないなんて思わなかったよ。
散々ルート内で「外の世界へ連れてってくれる約束した!」「私はそれが何よりも大切だった!」みたいな伏線張ってたじゃん。あれ……何?


こんなん、外の世界に連れて行ってくれたBADENDが正史って言われても仕方ないよねぇ!?




淡雪くん、初手の段階から


「……新しく拾った男に目移りしてないで、
 俺に責任を持ってくれ。」

「えっ?」
 従者からの思いがけない訴えに、ちょっと驚く。
「目移りなんてしてないよ。わたしはいつでも
 一番淡雪を構ってると思うんだけど……。」

 彼は大真面目な顔で、毅然と言い切る。
「俺が一番なのは当然だ。」

このメンタルなの
従者としてメンタルっょっょすぎて新鮮でした


もっとこう、従者とか保護者って、新しい男が主人公の近くに現れて焦っちゃう男ばっかりじゃないですか?なにこの「俺が一番なのは当然だ。」強すぎる。何?



「……何が大人なんだか。歳を重ねたところで、
 俺がいないと何もできないままだろ、姫は。」

「む。」
 その言い分はちょっと心外で、わたしも反論する。
「淡雪だって、わたしがいないとだめでしょ?」

「……なあ、雛菊。」
「確かに、俺はおまえがいないと駄目だよ。」
「だから、これからも好きに使ってくれ。
 俺は、おまえのものなんだから。」

「うん? もちろんだよ。
 淡雪はずっと、わたしの従者だもん。」


ウワーーーーーー!!!!


こ、このふたり…………!


共依存』の素質ある〜〜〜〜っ!!!




ピピーッ!!!!



それ以上は!それ以上はいけません!!!




どうしてかって?



わたしの爆『癖』だからに決まってるでしょ!!!



「わたしが居ないとだめでしょ?」→「うん、だめ」
みたいなカプ、ほんと〜〜にお先真っ暗で困る。好き。
ひとりだと立っていられないカプ、この先絶対壁にぶち当たるのにな。そのままで生きていけるわけがないのに。好きなんだよなあ。困ったなあ。2人で強くなってほしいなあ。


「俺はいつだって、おまえのことを
 一番に考えて――」

「ばか! ずっと一緒にいるって言ったのに!」
「い、いや、もちろんそれは、そのつもりだし、
 そのためにいろいろ考えてるわけで――……。」

「心配ならちゃんと、そばに、いなさい……。」
「……姫が許してくれるなら、ぜひ。」
「ほんとに……?」
「ああ。忘れないでくれ、雛菊。」
「俺は、おまえがいないと生きていけないよ。」
「おまえのことが何より大切だし、
 おまえのためなら、なんでもできる。」
「……おまえは、俺にとって唯一無二の、
 特別な存在なんだよ。」



困ったなあ!この従者……!!


もう少し愛情表現を……抑えろ!!
重くない……!?
重くない……のか?!


自制心を……!持て……!!!



(『もの』でいれば、雛菊の傍にいられる)
(『もの』でなければ……)
(いつまでも、傍には……いられないだろ……)



※持ちました。




なんか……。

なんか、危険思考なんだよな、このひと。


危うすぎる。
本当にこれだから依存体質の男ってのは……!



淡雪くんルートは
もうそりゃあ終始淡雪くんの好きはダダ漏れ状態なので、いかに理性を保てるか、『もの』のままで居られるか、みたいなところあります。


 今度こそ彼と別れ、リビングに向かう。
 でも、なんだか名残惜しい気持ちもあって、
 廊下の角を曲がりながら、ふと振り返り――
「!」
 目に映った光景に思わず心臓が跳ねる。
 彼は大切そうに手の中の根付を見つめ―
 そっと優しく、唇を触れさせた。


そんな絶対に表に出してはならない表情を、雛菊の見ていないところで出しちゃうの、良〜〜っ!!


雛菊から貰ったものは全部大切なんだろうな。
小さな根付ひとつでも、生涯をかけて大事にしちゃうんだろうな。
本当に……、私がこれまで出逢ってきた男の中でも、かなり上位の「主人公しか要らない」タイプの男だよ。


雛菊が贈っているという、従者にしてはそこそこのお値段する衣服も、少し傷つけただけでめちゃくちゃキレるんだろうな。いや、傷つける予定はないんですけど。


「あ、それと。おまえ、さっき言ったよな。
 『淡雪のことを何も知らなかった』って。」
「それは間違ってる。俺のことを誰より
 知ってるのはおまえだよ、雛菊。」
「おまえとは、他の誰よりも長い時間を
 一緒に過ごしてきた。」

 それはわたしにとっても同じ。
 両親が傍にいてくれた時間よりも長く、
 淡雪は毎日、わたしの傍にいてくれた。


やっぱりまじで『メンタル強』だよ、淡雪……!
『おまえのことは誰よりも知ってる』じゃなくて、『俺のことを誰より知ってる』って言えちゃうんだもん。
本当にさあ、どうやったらこんなメンタル強な依存過保護従者爆誕するの?多分全拗らせ依存男子たちに教えを説いて回った方がいい。




▽ みんなだいすき告白シーン


ということで色々ありまして、淡雪が容疑者に仕立て上げられたり、泉下に降りたり、なんだり、でようやく想いを通わせます。

ところで泉下に行ったあとの淡雪、泉下だからっていきなり雛菊の手を握ったまま離さないの笑ってしまった。
ちょ、ちょっと〜〜!?理性どこに置いてきた〜!?


そりゃ露草くんだってドン引くよ。てかこのルートの露草、面と向かって『淡雪がすき』って振られてて可哀想すぎ。露草だってさあ……!淡雪と出逢う前から好きなんだよ、雛菊のこと……。ウワ……残酷すぎ………。



「わたしは凍玻璃に戻らないよ。ここにいる。」
「ずっとわたしを守ってくれてた淡雪を、
 今度はわたしが守る番だと思うから。」

「俺が傍にいれば命の危険に晒されるし、
 お家のためにもならない。」
「……おまえが今まで大事に守ってきたものを
 台無しにしてしまう。」

「それでも! 淡雪を守れるなら、全部
 差し出したっていい!」


淡雪ルートの雛菊ちゃん、強すぎ。

こんなに強くて、なんでも出来る完璧従者に対して『わたしが守る』って宣言するところ、本当にすき。


この前に突然半月堂に黒鶴が押し入った時も、
『帰りなさい』って言い放ってたのも痺れた。
ちゃんと貴族の当主してる雛菊ちゃん、好きなんだあ……!



そんなこんなで、一応ギリギリの自制心で踏ん張ってる淡雪くんから告白されることは……まあ、ない、ので。
雛菊から積極的にオセオセ告白をします。


(わたし結構、オセオセ告白して振られちゃうのが苦手展開のひとつなんですけど、淡雪くんに対してはあまりにも淡雪くんの愛がBIGすぎて「振ったとしても……まあ、こいつ雛菊以外世界から要らないしな……」の安心感がケタ違いだったので大丈夫でした)



「わたしはただ、淡雪がわたしのことを
 好きかどうかが聞きたい!」

「…………。」
 訴えても、彼は何も言ってくれなかった。
 悲しくなるけど、それを隠して
 わたしは言葉を続ける。
「今すぐ好きになって、なんて言わないよ。
 ……でも、わたし……。」
「……ひとりの女の子として
 見てもらえるように、頑張るから」

 それ以上、淡雪の顔を見ていられず、
 わたしはそのまま歩き出そうとする。
「――雛菊。」
 後ろから強く腕を引っ張られたかと思うと、
 目の前に淡雪の顔がある。
 気づいたときには――
 ……唇が、彼のそれと触れていた。
「――――」

「……好きに、決まってるだろ……。」
 彼は想いを零すように、そう言った。




アアアアアア!!!!!?


伝えたーーーーーー!?!


溢れちゃったか!?
溢れちゃったのか!?淡雪!!


もう抑えきれなかったんだよなあ!!!?



淡雪くん、こちら側から先に『好き』って伝えないと、絶対に本音を言わない。


これ、他ルートの淡雪は『自分は【もの】』っていう考えを最期まで貫き通して死ぬんだろうな……。
え?無理すぎる。
他ルートの淡雪、無理すぎる……
頼む、どうにかしてくれ、雛菊…………。




「おまえの隣にいる権利を、誰にも渡したくない。
 ……だって、俺はおまえのものだ。」
「生きるも死ぬも全部捧げるし、
 これからの未来も、全部おまえに決めてほしい。」
「なのに、何で手放されなきゃならないんだ?」
「ずっと、傍にいさせてくれ。……じゃないと、
 おかしいだろ……。」


おかしいよなあ!!!?!


じゃないと、おかしいんだよ!!!



淡雪がおかしいつってんだからおかしいの!!
この身分差!おかしい!
こんなにずっと傍に居たのに、
ぽっと出の貴族のボンボンに奪われるなんて絶対絶対無理でしょ。



ただまあ、ちょっと、
「生きるも死ぬも全部おまえが決めてほしい」荷が重い……かな!?
どう?雛菊さん……あ、荷が重くないですか?素晴らしいです。さすがですね。



「それに……。俺は、おまえが思ってるよりも
 おまえに執着してる。」
「傍に居続けたら、いつかきっと何か仕出かす。
 ……柊様のために暴走した、雨月みたいに。」

「そんなの、わたしがさせないよ。」
 わたしは迷わずに言い切った。

「……拾ったものに最後まで責任を持てって
 言ったのは、淡雪でしょ?」

 わたしは少し震えた声で、願うように伝える。
「だから……。死ぬまでわたしのものでいて。」


雛菊さん…………っ!!!
相変わらず正しく強い。素敵です。



このルート、「淡雪はわたしのもの」を一貫してるのが良い。
普通の乙女ゲーム、というか普通の恋愛モノだとさ、
やっぱり「おまえは俺のもの」の割合が大きいじゃん?


ずっとこれからも、
雛菊が『主』なのは変わらないんだなっていうのが
本当に、本当に良いです。




「だって淡雪は、わたしのために
 よくお菓子とかも作ってくれて……。」

「……いや、それは……。」
 淡雪の視線が、気まずげに泳ぐ。


あとは『淡雪は実は努力家だった』シリーズ、好き
雛菊、何かある度に「淡雪ってなんでも出来る!」「ウチの従者すごい!」って言ってましたが、本当はめちゃくちゃ努力して出来るようになったの、好きポイント高い。
淡雪、おまえ、どれだけの人生の時間を雛菊に捧げてんだよ……って言うのが台詞の一つ一つからジワジワ伝わってくる。怖い。ここまで徹底してる『愛が重い』もなかなかだよ。



というか『愛が重い』男ってさ、
結局は「保身」とか「相手のことを考えてない」行動をしちゃう殿方を多く見てきたんですけど、
淡雪に関しては徹底して、
すべての行動が『雛菊のため』……。

これが本当にストレスフリーでした。

ちゃんと『愛が重い』けど、読み手が不快にならない読み心地。すごいよ、淡雪。革命だよ、淡雪。

しかもこの『雛菊のため』の行動、から回ってるとかではなく、ちゃんと雛菊のことを考えて、雛菊が嫌がらないように、雛菊のためになることをしているの……

これがメンタルっょっょ従者の強み……。


メンタル本当に安定してるの、凄いよな。
『何か仕出かす』と不安がってはいるけど、
実際その立場に立たされた時、「雛菊のため」じゃない行動は取らなそうだもん。安心できすぎ。おまえが雛菊を幸せにしろ(泣)



「今日は朝からご機嫌だな。」
「そうでもないよ? 緊張もしてるもん。」
「でも、なんか、いい夢を見た気がする。」

「どんな?」
「うーん……。子供の頃の夢、かな。」
「じゃあ、俺の夢か。」



(笑)


本当にメンタル強くない?(笑)



「子供の頃の夢みたんだ」「じゃあ俺の夢か」って即時返せるの本当に何?どこでそんなメンタル鍛えたの?(n回目)


これもきっと、雛菊が日頃からちゃんと淡雪に愛情を返してあげてるからなのかな〜
ほら、やらかし重め男の皆さまって、大体が『不安』から来る行動じゃないですか。
きっと淡雪は『不安』なんて抱えないほど、姫さまに愛されてすくすくと……立派な……従者に育ったんだな……。


さすがに婚約者の件でメンブレしかけてたけど。
今までは姫さまの周りにちゃんとした男が現れなかったから、今回の件で結構キたんだろうね。





はい。

そんな重めの愛情表現が目立つ淡雪くんですが、

姫さまと心は通わせるものの、
残念ながら2人で幸せに生きていくことは出来なかったんですね。(息を吸うようにBADを正史にする女)




▽ BADEND…もとい、正史ENDの話



今回の元凶:依さまが社会的地位を落とし、貴族では居られなくなる……ということで、東五の家に復讐をしに来ます。


(ごめん、ね……)
(もっと、淡雪の言うこと……。
 ……聞いてあげるんだった……)

 でも、淡雪が怪我しなくて良かった。
 彼がわたしを想って泣いてくれるなら、
 それは結構、幸せなことかもしれない、と。


雛菊、死にます。(だろうね!)


このエンド、雛菊的にはわりとハッピーエンドだな……もっと残された側の気持ちを……考えてくれ……。




そしてそしてぇ〜!!


ここからの最高ポイントとして、

『淡雪視点が描かれない』

ほんと、これに尽きるんですよ。



ここから視点が切り替わり、まずは帷。
東五の屋敷に駆けつけるも、時すでに遅し。
大きな血溜まりをそのままに、もぬけの殻になってしまった屋敷の描写だけ。


あれ……?淡雪、どこ行った……?


からの露草視点。

(余談ですが淡雪正規ENDの露草、柊さまが逝去されてしまって代わりに禁域にいることとなるのですが、この当時、まだ露草ルートを未プレイのわたしが「ほ〜〜ん?露草、禁域にいる……へぇ……?」と薄ら露草の出生匂わせを食らいました)(まあ出生を知ってしまったところで、露草ルートは面白いんですけどね!)



 雛菊と淡雪の行方は
 杳として知れないままだった。
 その足取りさえ掴めずに、日々が過ぎていく。

「こう、これはどの部署の責任になるのかって
 押しつけあってたみたいでね?」
「小生のとこまで話が来るのが遅れたんだけど、
 2週間ほど前――」
「外に通じる『関』を内から突破されました。」

「駐在してた黒鶴らの制止を押し切り、
 関を突破したのは、白髪の男。」
「荷物はひとつ。真っ白い布に包んだ何かを、
 大切そうに抱きかかえてた――」
「それはちょうど、小柄な人間くらいの
 大きさだったみたいですね。」

「――――」
 脳裏を過ぎるのは、帷から聞いた話……。
 東五の屋敷に残されていた血溜まりのこと。
 あいつが無事だったなら、血を流したのは
 彼女のほうだったんだろう。
(……だとすれば、あの子は、もう……)



う、う、ううわわわわ!!!!


ここまでの帷との話をまとめて、露草が『雛菊の死』を悟ってしまうの、たまらないよ。


 それでも、彼女を連れて、あいつが凍玻璃を
 出たのだとしたら。
 それは、きっと……。
 雛菊の願いを叶えるため、だ。
 外の世界に出た彼らがどこを目指すのか、
 おれにはわからない。
 おれはただ、あの子が安らかに
 眠れるようにと――それだけを祈った。

「……ごめんな。……約束、叶えるのが遅くなった。」




いやーーーーーー!!!

ほんっっとさあ!!!






――まじで正史すぎる。





『外の世界』に行きたかったんだよ、雛菊は。
『約束』したんだよ、淡雪と!
その『約束』を、ちゃんと叶えたんだよ……!!



これさぁ、本当の意図を知っているのは残された露草だけ、って言うのもまた良良良良すぎちゃう。



『外の世界』に行きたかった雛菊と、
『外の世界』に連れていく約束を叶えた淡雪と、
『外の世界』に行ったのを見届けた露草



物語っていうのは、読み手がいないと完成しませんからね。
雛菊と淡雪の物語を、正しく最期まで見届けた証人が露草。



本当に素敵なENDだった……。
本編通して、雛菊が地上に降り立つことの出来たENDって淡雪正規ENDだけなんですよ。


やっぱり雛菊は良くも悪くも『貴族』という立場を捨てきることが出来ないから。
見捨ててなんていけない。
みんなを見捨てて、凍玻璃を捨てて、好きなひとと仲良く外の世界で暮らしていくなんて出来ない。


だからやっぱり雛菊は殺さないと……(?)


雛菊には死んでもらわないと、彼女の夢を叶えることは出来ないんだよな……。
なに?サイコパスの思考?



淡雪には捨てるものが何もないから。
姫さましか要らない世界だから、全てを置いて外の世界に行くことが出来たんだろうな。


某有名キャッチコピーの
『君のいない世界なんて、いらない――』を淡雪風に言い換えると、
『君以外の世界、いらない――』
になるんじゃないかな。


露草はなんだかんだ凍玻璃が捨てられないので無理。
依さまも家格を捨てられないので無理。
帷くんは外の世界に興味はあるけど、実際みんなを捨てられるか?って言われたら無理。帷くんは一番この考えが雛菊と似てる。駆け落ち絶対出来ないCP。
矢代は外の世界に連れていくことは出来るけど、外の世界のしがらみに巻き込まれそうで……。というか巻き込まれることが分かってるのに、わざわざ雛菊を外に連れ出そうとはしないでしょ。


という。
外に連れ出すことが出来るのは淡雪だけだったねっていう再認識。ありがとう。




▽ 他ルートの淡雪コレクション


最高のエンディングを見届けたところで
最後に他ルートにおける『心労が尽きないよ!淡雪くん』シリーズを見てお別れしましょう。




まずはもちろんこの方


▼ 依ルートより

「――淡雪!」
「何だ、どうした? 寝たんじゃなかったのか?」
 淡雪は、リビングに駆け込んできたわたしを見て、
 驚きながらも心配そうに聞いてくる。
「あのね、この本なんだけど!」
「ああ、朱夏先生の。俺はまだ読んでないから、
 感想とか聞かれても言えないぞ。」

「そうじゃなくて……!
 ええと、少しだけネタバレしていい?」

 淡雪は怪訝そうに眉を寄せたけど、
 程なく頷いた。
「……嫌だけど、許す。姫がしたいなら。」


新刊のネタバレされたくないけど、雛菊と頼みならまあ聞いてやらなくもない……みたいな淡雪可愛いすぎ。


幼い頃の淡雛、雛菊が無邪気に物語のネタバレとかしてモヤモヤしてた時期とかあったんだろうな。
それで淡雪をちょっと怒らせちゃって、次の日に雛菊が様子を伺いながらちまちま淡雪に近付くんだよ。え?かわいい……幼少期の淡雛、無限大じゃん……。






そしてお次は


▼ 矢代ルートより

 わたしのことを心配した従者は、玄関先で
 しっかり待ち構えていた。
「雛菊! こんな時間まで――」
「…………。」
「……っ……!」

「あ、淡雪ー!?」
 わたしの顔を見るなり卒倒した淡雪を、
 矢代がリビングのソファまで運んでくれた。
 淡雪はまだ朦朧としたまま、うなされている。
「姫の、顔に、傷がっ……!」
「あ、淡雪、大丈夫だよ。わたしなら
 傷の治りも早いって知ってるでしょ?」

「う、ううっ……。俺の、姫に……。」



(笑)


ほんとごめんな、淡雪(笑)



ここまで取り乱したの、これが最初で最後では……!?
本当にね、どこぞの馬の骨と行動するようになったら大事な顔にキズつけて帰ってくるんだもん。無理だよな、淡雪。よくまだ理性を保てているな……?


(まだ淡雪が寝てますように……)
 祈るような気持ちで、そろりそろりと屋敷に入る。
 物音を立てないように、そうっと扉を閉め、
 ほっと安堵の息を吐いた。
 そして――
「お帰り、姫。」
「あっ……。」
 廊下を数歩も進まないうちに、
 わたしの優秀すぎる従者が立ち塞がった。
 考えてみれば……。
 そもそも淡雪が寝ているはずがなかった。
 彼は、主人の帰りを夜通し待っているタイプの
 従者だから。



(笑)


そうだろうなあ。(笑)



朝帰りして「淡雪が寝てますように」「??」ってなったもん。寝るわけなくない?寝てるとしたらどんな気持ちで寝るの?



「姫、帰り遅いな〜。先に寝よっと」



ないないないないないない。



正解は、姫のこと探しに行こうにも行き違いになるかもしれない、朝まで帰ってこなかったら黒鶴に行こうって決意する深夜2時。これです。

本当に帰って来ない。なにか事件に巻き込まれたか……?不安になる深夜3時

雑務を行いつつも心配で堪らない朝方4時

からのご帰宅。完答です。



「あのー。あのね、淡雪……。そろそろ
 領区の様子を見に行きたいな、なんて……。」

 実は、この1週間というもの――
「いけません。」
(ま、まだ怒ってる……!)
 わたしは淡雪に外出を禁じられていた。
 あの朝帰りをした日から、
 彼はなかなか敬語を崩してくれない。
「ど、どうしても、だめ?
 ちょっとだけだから……。」

 何とか食い下がってみるわたしに、
 にこ、と淡雪が微笑んだ。
「いけません。」


作中1激おこ淡雪くん


本当にこれは淡雪くんの心労がやばすぎてなんもフォローできん。おまえが悪いよ、雛菊。朝帰りはやばい。



というか淡雪、ガチギレすると敬語になるタイプなんだな……。イヤなタイプだ……。



 矢代はリビングの床に正座させられ、
 淡雪から懇々と常識を説かれていた。
「ま、まってまって、わたしは攫われてないし、
 矢代はわたしのことを心配して……。」

「あのな。貴族の、それも未婚の姫の部屋に
 窓から入り込んで?」
「あまつさえ外に出ようと誘惑するなんて!
 動悸が何だろうと未遂だろうと、これは重罪だ!」
「俺がもっと厳格な従者だったら、
 部屋に踏み込んだ時点で矢代の首は胴から
 離れていてもおかしくなかったな……。」

「これではっきりしたな。
 矢代の存在は姫に悪い影響を与える!」
「記憶がないからと大目に見てきたが、
 常識もない上、貴族に対して気安すぎる。」
「今後一切、うちの姫には近づかないでくれ!」



そりゃそうなるよなあ!?


てか矢代ルートの淡雪可哀想すぎませんか?!


ストレスマッハだよこれ。
雛菊!もっと労わってほしい。頼むよ。
このままだと淡雪ストレスで早死してしまうよ。



「藪をつついて蛇を出す必要はないものね。
 ところで、今回は何をして謹慎になったの?」
「実は、姫様は泉下に出掛けて――」
「!!」
「泉下ぁ!?」



「泉下ぁ!?」



(笑)



「泉下ぁ!?」クソデカボイス&大文字でわろてしまう。


そりゃ矢雛のこと簡単に認められないよ。
これは雛菊も悪いけど、矢代くんも悪いよ。

淡雪の一番の解釈違いカプは依雛だろけど、
二番目は矢雛なんだろうな。(笑)



まだ許せる(許せるとは言ってない)
石蕗
露草


人間性は良いが家格が許せない


許せない、認めない
矢代


論外




こんな感じ。知らんけど。





最後はもちろん!


▼ 真相ルートより

「従者殿。確認していただけますか?」
「どれどれ……。」
 淡雪は、鳴神が掃除した箇所を確認し――
 耐えきれない様子でくつくつと笑い出した。
「……ふ、ふふ……。」
「!?」
「素晴らしい……! 完璧だ、鳴神!」

「このまま、ずっとうちで働かないか!?
 もちろん好待遇を約束する……!」

 使用人の管理も淡雪に一任しているから、
 スカウトするのは問題ないけど……。
 知らないうちに鳴神のことをものすごく
 気に入ったようで、なんだか複雑だ。
「〜♪」


最後の最後でまさか淡雪の鼻歌が聞けちゃうなんて思いもしなかったよ。
良かったね、淡雪くん……。
ご機嫌で何より。


鳴神、一生東五の家で働いて……欲しかったな……。




おわり。



淡雪くんのもうひとつのENDの件につきましては、
急に雄を見せてきた淡雪くんにわたしがキレてしまったので感想は割愛します。もう記憶すらないです。
本当にいつもいつも偏った感想ですみません。(今更)


やっぱりメンカラ×ピンクのカプサイコ〜ってコト!




これで泡沫のユークロニア、全感想終了です!


お疲れさまでした!



また次回
乙女ゲーム感想記事でお会いしましょう。

以上、やちょうさんでした。