Bird Writing

思うがままに

【Blackish House ←sideZ】有村乃亜【ネタバレ感想】



Blackish House ←sideZ
有村乃亜ルートのネタバレしかありません!!!

自己責任でお願いします!!!




こんにちは。
やちょうさんです。



き、来てしまったか〜〜!!




個別感想、ラスト!


Blackish House ←sideZの最高潮
有村乃亜くんです。






対戦よろしくお願いします。


そういえば有村先輩の右目元に泣きぼくろがあること、個別入ったあとのこのアイキャッチ画像を見るまで気付きませんでした。
ずっと髪で隠れてるんだもの……!!




・【〜Scene28】(南の島編まで)
・【Scene31〜】(南の島編後〜)


(記事内長すぎるので前後編に飛べます)(そこまで!?)(そこまでなんだよ……)




⚠️本当に本当〜ッに長いです。
⚠️とてもお時間潰しになると思います。





「ごめんね〜。あそこで僕だけ逃げたら、
 君が僕の知り合いって思われて、
 巻き込まれちゃうかなーって思ってさ」

▶ ぬいぐるみのお礼を言う
  巻き込まれたと文句を言う



何度だってぬいぐるみのお礼を言いに行くよ。






▼ Scene01『hand's memory』



待って待って有村乃亜の感想、Scene01から書いてて大丈夫!?!このひと、Scene50までありますけど……。

いやでも仕方ないんだよな。
どうしてかって、Scene01にはさ………


「こういう時はね、『よろしく』の握手をするんだよ?」
 そして、ぎゅっと握りしめられると……。
(えっ……)
 胸を焦がすような感情が湧き上がった。
 苦しい、とは違う。
 甘い、とも違う。
(これは……)
(懐かしい、だ。遠い昔、私はこの手を繋いだ事がある気がする)


アカン。(頭抱)



Scene1から世界一大事そうな案件を匂わすな。


もうこのふたり、絶対なにかあったもん。
ここだけで尊い過去あるって言ってるもん。


無理だよ。

詰め込みすぎなんだよ。



はぁ。




▼ Scene04『あったかいごはんのあじは?』



シーンタイトル(泣)(泣)(泣)



大事な大事なカレーイベントです。
有村乃亜のシーン、全部が大事。どうして。


お食事当番だよ〜ということで
雛ちゃんと一緒に料理初体験する有村先輩。



 みんな笑顔でカレーを食べる姿を、有村先輩はじっと見つめていた。
「……」
 その頬に笑みが浮かんだのを見て、改めて、
 有村先輩と一緒に料理が出来て良かったと思った。

「有村先輩も食べてくださいね」
「……っ」
 カレーを口に運んだ瞬間、有村先輩の目が大きく見開いた。
 スプーンを口にしたまま、固まってしまっている。
「有村先輩?」
 どうしたんだろうと、顔の前で手を振ってみた。
 でも、反応がない。
 今度は顔を覗き込んでみると、
 有村先輩はやっといつものふにゃっとした笑顔を浮かべた。
「ふふっ」


味覚障害の有村先輩、
ここで初めて『おいしい』って思うの。


ここで!初めて!
『おいしい』って思うの!!!!



これ一周目だと有村先輩がこの時点で何を考えているか分からないのですが、二周目にね……!
有村先輩視点が入ります。




 カレーを口にした瞬間、舌がビリビリと痺れて何かを感じた気がした。
 このカレーは、俺が初めて作ったものだから
 脳が勝手に「おいしい」と勘違いしたのかもしれない。

「うん。おいしい。澪も食べられたら良かったのにね」
 藤吾は、友達だからってお世辞を言うタイプじゃない。
 レストランでも、まずければハッキリ言う。
 その藤吾が「おいしい」なんて言うから、なんだかくすぐったい。
 ……どうしてかな?
 アパートのメンバー達が、おいしそうに俺が作ったカレーを食べる姿を見ていると、なんだか不思議な気持ちになるんだ。
 嬉しいような、そうじゃないような……。

「ねえ、雛ちゃん。……ありがとう」
「……何が、ですか?」
「全部が」
 俺は笑みを浮かべたまま顔を逸らして、またカレーを一口食べる。
 それが、「おいしい」と感じたのは……味覚?
 それとも、心?



自分、涙いいっすか。
(早)(早くないんだわ、二周目だぞこっちは)




この視点が読めるの、
有村先輩とBADエンドを迎えたその後、
もう眠くて精神限界で「早く幸せにし゛て゛あ゛け゛て゛;;;;」って訴えかけているところなんですよ。

このあたりでどうして有村ルートは二周必要なのか察知して、これから来る答え合わせと、幸せになる未来を掴み取るための先の長さに腹を括ってたのですが……。



本当に、本当にさあ!
わたしは一周目前半、有村先輩のことをミリも信じてなかったので(失礼)
こんなにも純粋に素直に好意を受け取ってくれているなんて思ってなくてさあ……。

泣いちゃったよね。



というか有村先輩、自分視点だとちゃんと『俺』って言ってるんですね。
今気付きました。
当時はそれどころじゃなかった。



姫崎、基本的には澪くんと行動をともにする粘着幼なじみなのに、有村先輩が夕飯を作った時は澪くんと夕飯をともにせずに、こちらに来てくれるんですよね。

姫崎先輩も姫崎先輩なりに有村先輩のこと大事に思ってるんだなって思うと心が温かくなるし、有村先輩も姫崎先輩に「おいしい」って言ってもらえたことを一番喜んでるみたいで良かった。
澪くんは仕方なかったけど、気持ちとしては有村先輩の初手料理、食べたかったんじゃないかな。
澪くんは懐に入れた人間のこと、とっても大事にしちゃうからね。




▼ Scene05『Restriction』

「僕の心臓の音、聞こえた?」
「は、はい。初めて聞いたんですけど、なんだか落ち着きますね」
「そっか。僕は、嫌いだよ。心臓の音。
 聞いてると落ち着かなくなるし、嫌な気持ちになる。
 あんまり聞きたくない音だな」


心臓が早く止まることを望んでんだ、乃亜はよ………




心臓病、不眠症味覚障害、過去の因縁(?)、家族問題、有村乃亜ルートやることが多くない!?
終わる!?これ……




▼ Scene07『僕が世界で一番大嫌いな女の子』



有村先輩と待ち合わせしてる雛、有村先輩がモブ女子に告白されてて遅れるよ〜とのことだったのですが、


「仲良かったよ。普通に。
 でも、告白してきた時点で、嫌いになっちゃったんだよ」

(仲が良かったのに、嫌いになった……?
 有村先輩の言っていることがよく分からない)

「どういう意味ですか?」
 尋ねる私に、有村先輩の口元が三日月の形に歪んだ。
「僕はね……僕を好きな子が、だぁいきらいなんだ」
「だから、僕に告白してきた時点で、どんなに仲が良い子でも僕はその子のことを嫌いになっちゃうんだ」



結局これ、なんだった?



わたしは有村先輩に「好き」って伝えたらダメなんだろうな……と思って話を進めてたら、後の展開で普通に告白してたし。
……これ、なんだったんだろう。



というかこのくだりのせいで、
一周目の気持ちが分からない有村先輩のことを信じきれてなかった部分が多いんだろうな。


あ、もしかしてそういう作戦だったのか!?
プレイヤーに猜疑心を抱かせる作戦!?





「嘘はよくないな〜。目の下に、くまさんが2匹、
 がおーって座ってるよ。
 本当は何してたのかなぁ〜?」


表現の仕方かわいいな。

どこで覚えてきたん?そういうの。




▼ Scene09『略奪者』

「お疲れ様」
(あの人……女優の、月宮咲乃さんだ!)
 人間離れした美しさを持つだけでなく、
 月宮咲乃さんの演技は人を惹きつける力があった。



あ!!!あの人……!!



クソだ!!!!!!




(※ここから便宜上、この女のことをクソと呼ばせていただきます)(誠に申し訳ございません)(以上、クソの初登場シーンでございました)



シーンタイトルの『略奪者』
これ、だれのことを指してるんだろうね……。

クソ?それとも、雛?




▼ Scene10『breathing』



まあクソの話は一旦置いといて……。

とりあえず不眠症が心配な姫崎先輩から「乃亜と一緒に寝てくれない?」と頼まれます。
初めは無理です!って言っていた雛ちゃんも、やっぱり有村先輩のことが気になるのでね、一大決心をします。


 階段を下りて有村先輩の部屋の前まで来ると、もう一度深呼吸をした。
 ノックをしてしばらくすると、ドアが開く。
「ん? どうしたの? こんな時間に……」
「は? 枕?」

「一緒に寝にきました! お邪魔します!」
「え!? ちょ、待っ……!」



いけいけ雛ー!!!!


そうね、有村先輩とちゃんと向き合うためには少しくらい強引の方がいいよ!
有村乃亜のペースを崩していけ!!いけいけ!


とは言いつつも、
やはり男の人と添い寝だけする〜なんて甘い考えを乃亜が許してくれるはずもなく。
めちゃくちゃに襲われます。


「さあ、君はどんな選択をするのかな?
 俺を殴る?
 それとも抵抗せずに泣くだけ?」
「あ、大声を上げて助けを呼ぶってのもありだね。
 まあ、どっちにしても誘ってきたのは君だから、痛い目は見てもらうけど」

 選択を迫る有村先輩の目を、まっすぐ見つめる。
「…………」
 こちらをあざ笑うような口元、氷みたいな瞳。
 私には、有村先輩が何を考えているか分からない。
 分からないから……有村先輩に向かって手を伸ばした。
 そして――。

 有村先輩の身体を、そっと抱き寄せる。
「は……?」
「殴りませんし、泣きませんし、大声も上げません。
 だって私は、これから有村先輩と一緒に寝るんです」
「有村先輩も、今から寝るんですよ。
 だから先輩は、私に何も出来ません。
 さあ、寝る準備をしてください」

「何を、言って……」
「まだ眠れないんですか?
 なら子守唄もつけましょうか?
 あなたが眠るためなら、なんでもしますよ」




亜麻乃雛、サイッコ〜〜〜。


亜麻乃雛はまじで最高だよ。
各ルートで最高の亜麻乃雛を見せてくれるBlackish Houseってゲーム、最高なんだよ。



雛らしからぬアクティブ一大決心で、有村先輩と寝に来たのに、有村先輩が襲ってくるから。
雛、めちゃくちゃ怖かったはずなのに、自分の使命を忘れずに果たそうとするんだよ。
強すぎるよ。なんでこんなに強いのよ。




その後、平和に一緒に眠ることが出来て、有村先輩も「自分の世界を広げてみるよ」って言ってくれて、




ここから!
とびきり面白くて切なくて優しくて、残酷な有村乃亜ルートが始まりますよ。



ふぅ…………。
まだ慌てる時間じゃない。





ところで数少ない月涙館内わちゃわちゃの話なんですけど、



「ねえ、僕が教えてあげよっか」
「えっ……有村先輩が?」

「面白そうだし、俺も手伝うよ」
「姫崎さんも? それは心強いな」
「そうですね、ぜひ教えてほしいです。
 悠翔だけじゃ大変そうだったから」

「……教えてもらえるのは、嬉しい」
「そうだな……有村先輩、姫崎先輩、お願いできますか?」

「まっかせなさーい!」
「でも……」
 有村先輩と姫崎先輩は顔を見合わせ、こちらに向かって不敵に笑った。
「「スパルタでいくからね」」


この他ルートでも度々見かけた
テスト前勉強会に茶々を入れてくる宇賀神澪の両翼、
「「スパルタでいくからね」」
のところが大好きすぎて何度読んでもニコニコしちゃう。


ここからコミカルなBGMになるし、みんなでわちゃわちゃ出来て平和だなあ……。楽しいなあ。
ずっと続けば良いのになあ………。




▼ Scene11『一緒に寝ない日』

「たかがおはようのキスだけで、文句言い過ぎだよ〜。
 唇にキスするの我慢してあげたのに、我慢しなければ良かった」

「もう……そういう問題じゃ……ない、です」
「ありゃりゃ、拗ねちゃった?
 ほっぺたが、おもちみたいに膨らんじゃってるねぇ」

「むぅ」
「あはは! かーわいー」


待って待って乃亜雛、何!?!?




しんど……涙出てくる………


幸せかよ。

………幸せ、かよ……。





 階段を上って自分の部屋に戻っていると、悠翔の部屋のドアが開いた。
「あれ? 雛、早いな。おは、よ……」
 悠翔の笑顔が、次第に驚きに変わっていく。
 戸惑っていると、悠翔は怪訝そうに、眉間に皺を寄せた。
「枕なんか持って、何してるんだ?」
「これは、その……ま、枕を干そうと思って」
「干すならベランダだろ。でも、今から部屋に戻るんじゃないのか?」
「それは……」
「なあ、何してるんだ?」



あぁっ!?
は、悠翔!!!



悠翔にばれちまったよ…………。




いやまあそりゃそうだろ。
時間の問題だったよ。


悠翔ごめん、ごめんなさい。
悠翔に隠し事してごめんなさい。
悠翔……あんなに乃亜雛嫌ってるもんね、そりゃ有村先輩と添い寝してますなんて言った日には……もう……ね?



「それで……一週間も、有村先輩に添い寝してやってたのか」
「うん、そうなの」
「なんでそんな危ない事を……」
「危なくは……」
「危ないだろ! 何かあったらどうするんだよ。
 それに、どうして俺に黙ってたんだ?
 せめて一言相談してくれたらいいのに……」
「有村先輩から、何かされてないか?
 大丈夫なのか?」

「どうして悠翔は、そんなに疑うの?
 信じられない?」

「……ごめん」
 悠翔は深いため息を吐き出して、頭を掻いた。
「……気が動転して、疑いすぎた」
「でもな、大事な家族が男と添い寝なんて聞いたら、
 たとえ何もなかったとしても、誰だってびっくりするし、心配になるんだよ」

「……そっか。そうだよね。
 私も強く言いすぎて、ごめんなさい」

「いや、いいんだ。でも今度からは、何かあったら報告してくれないか?」
「うん、分かった」
「添い寝については……心配ではあるけど、
 雛が信じる有村先輩を信じるよ」


悠翔〜〜;;
ごめん。本当にごめんね。
そりゃ心配だよね。ごめん。

でもこれからも乃亜雛の雛は悠翔に相談することは無いと思う。本当にごめん。私が悪い。乃亜ルートを進めている私が悪いよ、ごめんね……。



というか乃亜雛アンチの悠翔、
やっぱりここで強く止めといた方がよかったと……思うんですよ……。


だって、この先の、乃亜ルートは………。




▼ Scene12『優しい眠り』



一週間ずっと一緒に寝て、実家に帰ってやっぱり眠れないってなった有村先輩、雛が23時過ぎてもお部屋に来てくれないから有村先輩の方から「何時に寝るの?」って雛の部屋を訪ねるんですよ。




「有村先輩、昨日は寝てないんですか?」
「……」
 すると、有村先輩は、こくり、と頷いた。
 子どもみたい。
「眠いですか?」
「……」
 また、こくり、と頷く。
 でも今度は、拗ねた顔を私に向けた。
「今までは、寝なくても大丈夫だったのに……
 雛ちゃんのせいだよ」

 これは、いくら鈍感と言われる私でも分かる。
(有村先輩は拗ねているんだ)
 まさかこんな顔を見せてくれると思わなくて、頬が緩んだ。
「ふふ。有村先輩、子どもみたい」
「誰のせいでこんな風になったと思ってるの?」
「私ですね」
「そうだよ。なのに僕のこと笑って……。
 責任取って。今すぐ……」

「そうですね。じゃあ、責任を取ります」

「今日も、一緒に寝ましょうか」
「……うん」
 すると有村先輩は、またこくん、と子どもみたいに頷いた。


絆されてる有村乃亜……良い〜〜。



たった一週間一緒に眠っただけ。
たった一週間。されど一週間。



雛にとってはたった一週間だけど、
有村先輩にとってこの一週間は……大きすぎた。


大きすぎたんだよ、実家に帰ったときに、「眠れない夜が辛い」って思うくらいにはね。



それにしても、こくりと頷く乃亜、ちいかわみたいでかわいいな。




▼ Scene13『アイスブルーの瞳』

 有村先輩は目を擦りながら、ゆっくりと目を開けた。
 アイスブルーの瞳が私を捉えると、最初はふにゃっと笑ったけれど……。
「……おはよう」
 夜見た時と同じ、泣きそうな顔をした。
 それはまるで、助けを求めるような……とても、悲しい顔。



うえーーん無理だよお…………


家族旅行に行きたくないのが滲み出ている有村先輩、本当に無理。助けてあげて、雛。有村先輩、こんなにもSOSを出してるじゃん。お願いだよ。救ってあげてよ。



ごめんね。今の雛は力不足で……。
もう少し我慢してね。
そしたら最っ高の2週間が待ってるからさ……




▼ Scene15『Summer island〜Starry Sky〜』



やったーーーーー!!!!
来たよ!!南の島!!!!



有村乃亜ルートにおける
最高で最大の特別イベント!!!!



まーーーーじで長い熱い8月が始まります!!


有村乃亜だけ8月の尺おかしいよ!
この時はまだ知らなかったんだ……
まさかこの2週間の『泣き虫マーメイド』のロケ、1日1日しっかりとシナリオ展開するなんてことを、ね……



「わっ、やったな!?」
「もう! 濡れちゃったじゃない!」
「ほら、雛ちゃんもやって」
「でも、ふたりに水をかけるなんて」
「これはそういう遊びなんだから、いいんだよ。
 それに、やられっぱなしじゃ悔しいんじゃない?」

「……そう、ですね」
 申し訳ない気持ちもあったけど、思い切ってふたりに水をかけてみる。
「えい!」
「うわ!」
「やったねー!」
 ふたりは海水で顔が濡れてしまったけど……すごく楽しそうにしている。
(これが、友達と遊ぶって事なんだ)




これが、『青春はじめました!』ってゲームですか?



私さ〜、アパートメンバーが好きだから、2週間アパートメンバーほぼ登場なしっていうの結構つらいな……なんて思ってたんですけど、



佐和果鈴紺之ミサキくん…………




最ッ高の仲間ジャン……!?




ぐっ!!(熱い握手を交わす)




4人は、ズッ友だよ……ッ!!!





南の島1日目から最高の青春をお出ししてくれる有村乃亜ルート、今後の南の島が楽しみで仕方ない。
本当に、本当に楽しかったんだよ。




▼ Scene17『Summer island〜意味を持たない、綺麗事〜』



南の島3日目!


今日の朝ごはん当番は有村先輩と紺之くんということで……


「そんなデカいパンケーキ、どうやって裏返すんだよ!」
 今度は、混ぜ合わせた材料をフライパンに流す量で、紺之君の怒声が飛んだ。
「おっきい方がいいかな〜と思って」
「お前がさっき混ぜた時、材料が飛び散って
 少なくなってるんだからやめろ!」
「って、焦げてる! 早くひっくり返せ!」
「こうかな?」
「フライパンごとひっくり返すなー!
 うおっ!? パンケーキが燃えたー!」

「フタをしないままミキサーを動かすなって! 飛ぶ! 飛ぶから!」
「あはははは! これ楽しいね〜」
「俺は楽しくないっ!!!」
 果鈴さんはそっとリビングに戻ってくると、私の肩をそっと叩いた。
「今日の朝ご飯は、終わったね……」
 あまりにがっかりした顔で言うので、私はおかしくなって、思わず笑い声を上げてしまった。



ッスゥ――――――。



……この時間を永久にするためには、どこに連絡したらいい?


公式?公式は……もう……ッ




雛が声上げて笑ったところで私も笑ったよ。
雛が笑顔だと私も笑顔になれるんだ……。



ところでこの前日、南の島の2日目のシーンで、
4人が全力ではしゃいで楽しむ!みたいな撮影があったんですけど、
そこで果鈴さんが
「あとからぎくしゃくするのにこんなに楽しんでいいんですか?」的なことを聞くんですよ。
そしたら監督は
「それがいいのよ。嵐の前の静けさってヤツ!」って答えるんですけど、



まさか……まさかね……?



それが有村乃亜ルートにも適用されてるなんてことは……まさか……ね?


こんなにも楽しい有村乃亜ルート、今が嵐の前の静けさなんて……言わないでしょ??




その後、持病を発動させた有村先輩から、ようやく心臓病のことを教えて貰えるのですが……。


(生き長らえる事に意味はあるの? か……)
 あんな言い方をするという事は、
 有村先輩は死にたがっているということ……?
 でも、だったらなぜ?
 味覚障害不眠症は、治療すれば治るもの。
 それが原因で生きたくなくなるとは思えない。
 だったら、他に死を望みたくなる事があるの?
 生きる事を捨てたくなる、何か……。
(でも、私は有村先輩にいなくなってほしくないな……)



嵐の前の静けさ……なんて、ねぇ?




▼ Scene20『Summer island〜星の砂〜』



南の島6日目!


星の砂が取れる幻の浜にやってきた乃亜雛。
星の砂を夢中になって取っている雛に、有村先輩は映画の台詞そのまま「マーメイドみたいだね」なんて言うのですが


 星の砂探しに夢中で、有村先輩が何か言ったはずなのに、よく聞こえなかった。
 何を言ったんだろうらと顔を上げた瞬間、ちょうど砂を払い落とした手に有村先輩が手を重ねてきた。
 一体何をしているのか、分からなくてポカンとしていると、有村先輩の手がゆっくりと離れていく。
 すると私の手のひらに、三日月の形と、星の形をした白っぽい小さな石が現れた。
「可愛い形の石ですね……。これ、どうしたんですか?」
「撮影中に見つけたんだ。雛ちゃんが喜びそうかなって思って、拾っておいたんだけど……」
「なんとなく照れくさくて、渡しそびれちゃった。
 渡すなら今かなって思って……」

 有村先輩の頬が、ほんのり赤くなっていく。
 有村先輩は自分の顔が赤いことに気づいていないのかもしれない。

「ありがとうございます。
 この月と星の石、宝物にしますね」

「そこらへんに落ちてた、何の価値もない石だよ。
 宝物になんてならないよ」

「有村先輩は、分かってませんね」
「そのものに価値があるか、ないか。
 それを決めるのは私です」

 有村先輩は、目を丸くした。


は〜〜〜まてまて、名シーンすぎるよ。

星の砂の探し方を教えてくれる先輩も、夢中で星の砂を探す雛も、それに付き合う先輩も、雛が喜びそうだなって撮影中に落ちてた石を拾う先輩も、そしてそれを渡すのに照れくさくなっちゃう先輩も。



乃亜と雛から生まれた感情のひとつひとつが、いとおしい欠片のすべて。



「私が、価値があると思えば、それはもう、すごい宝物なんですよ」
「だからこの月と星の石も、私には宝物になるんです」

「……」
「そっか。そう言ってもらえるなら、あげてよかった」

 ぽつりと呟いた有村先輩は、どこか寂しそうな顔をしていた。
「……もう少し早く、君と出会いたかったな」
 どうしてそんな顔をして、そんな事を呟くのか。
(私には分からなくて……)



「……もう少し早く、
 君と出会いたかったな」




………………。



乃亜…………………………。



でも、もう少し早くっていつだろうね。
1年前?中学生の頃?小学生?
それとも乃亜の両親が亡くなった、あの事故の前?



 その日の夜、私は夕方の自由行動で市街地に出た時見つけた、小さな透明のボトルに、星の砂を入れた。
 数は、もちろん17個。
 そして星の砂を詰めたボトルの隣には、
 有村先輩から貰った三日月とお星様。
 それをサイドテーブルに飾って、じっと見つめる。
(私の宝物……大事に、大事にしよう)
「ふふ」

「……」


ここの「……」の有村先輩、
雛ちゃんを見つめながら無言でニコニコ〜ってしてるんですよ。




あ〜〜〜無理じゃん。愛じゃん。
世界じゃそれを愛って呼ぶんだよ。




▼ Scene21『Summer island〜Kiss me〜』



南の島7日目!

ここらへんから朝食当番の組み合わせによって、乃亜がちょいちょいヤキモチをお出ししてくるのですけど、


 私の髪をわしゃわしゃ〜と乱す紺之君の顔は、楽しそうだった。
 男の人からこんな風に構われた事がないから新鮮で、私もちょっと楽しい。
「はははっ! すげーグシャグシャ!」
「紺之君のせいですよ、もう」
 手ぐしで直していると、背中に重みが。
「紺之君は、雛ちゃんに触るの禁止〜。
 僕の彼女だよ〜」

「あ、有村先輩!?」
 有村先輩は唇を尖らせて、昨日と同じように私を抱きしめていた。


一周目の私、有村先輩のこと1ミリも信用してなかったので、「なん……何?どんな気持ち?この人……」ってめちゃくちゃ疑心暗鬼だった。
本当に彼視点があるかないかで、信用度ってこんなにも変わるんだな……。


今なら分かるけど、もう本当に、南の島に居る乃亜って、『有村乃亜』そのものなんだよ……。
何にも取り繕ってない、健やかに眠れる、自然体の『有村乃亜』……。

こんな露骨にヤキモチ妬く乃亜がありのままの姿なんてさあ。そのまま素直に受け止めればいいなんてさあ!
そんなの、出来るわけないじゃん……。うう。私の心が汚れてしまっている……。ごめんね、乃亜……。




ところで紺之ミサキくん……めちゃくちゃ良くない??

ミサ雛、というよりは恋愛関係なく、男女の友情として、1クラスメイトとして仲良くして欲しさあるよ。
だって紺之くんとは撮影終わってもクラスメイトとして仲良く出来るわけでしょ??
「亜麻乃〜!すまん、休んでた分のノート見せてくれね?」「やっべ、明日提出の課題ってなんだっけ?」みたいな会話が繰り広げられるわけでしょ?え?良くない?クラスメイト:紺之ミサキ、めちゃくちゃ良くない!?私が恋しちゃいそうですが…………。


まあ紺之くん、スパクルがお忙しいのであんまり学校には来ないという話だそうですが……。
はあ。紺之ミサキくんのクラスメイト限界夢女になりたかったよ。




▼ Scene23『Summer island〜テイクオフ〜』



南の島9日目!


はぁ……南の島も後半に差し掛かってしまっている……。
4人の生活も最高ハチャメチャに楽しいんですけど、そろそろアパートメンバーが恋しいな〜って思ってたら、


まさかのアパートメンバー押しかけ!


サイコ〜〜〜〜!!
分かってるじゃん。


ただ悠翔・那由多の幼なじみ組が来てくれなかったのは寂しかったな。悠翔にもこの海、見せてあげたかったよ。



「どう? 撮影は順調?」
「うん。残念なくらい順調だよ。
 もっとこの島にいられたらいいのにな」

「乃亜がそんな事を言うなんて珍しいね。
 何か心境の変化でもあったの?」

「……特に意味はないよ。
 なんとなく、そう思っただけ」

「そう……」
「そこで何をしているんだ。バナナボートが空いたぞ」
「えっ、澪、バナナボートに乗るの?」
「べ、別に乗りたくて乗るわけじゃない。
 あいつらがうるさいからだ!」

「……ぷっ、ははははは」
「はははは、澪、バナナボート乗るんだ。
 可愛いね〜はははは」



いや待てバナナボート乗る宇賀神澪、何?



真剣な声色で「バナナボートが空いたぞ」はダメじゃない?死んでしまう。そりゃ笑うよ。



乃亜視点(2周目)でさ〜、
「もっとこの島にいられたらいいのにな」
っていうのはさ…………

……………ずるいよね。



それが乃亜の本音なんだもんな……。



「くっ……お前らなんか知らん! 好きにしろ!」
「待ってよ、澪。俺もバナナボートに乗るよ。乃亜は?」
「乗りたいけど、遠慮しておこうかな〜」
「もしかして、体調があまり良くないの?」
「大丈夫なのか?」

 適度な距離感を保って俺と付き合ってくれる幼なじみ。
 気遣いの仕方も、距離の測り方も、心地いい。
 俺の小さな小さな世界。
 この世界があれば良かった。
 他には何もいらないと、そう思ってた。
 でも、今は……そこに彼女がいて欲しいと思ってしまう。
 不思議だね、まるで恋をしてるみたいだ。


澪・藤吾・乃亜の幼なじみも良いよね…………。



乃亜ルートさあ!
こっちの幼なじみの絆、めちゃくちゃ良い。


基本他のルートに入ってしまうと、『2人(澪・藤吾)の関係と、それを傍で見てきた乃亜』みたいな構図になってしまいがちなので、2人がちゃんと乃亜のことも見てくれるこのルートは貴重。

孤児院育ちじゃなくったって、家族じゃなくったって、この3人は3人で大切な存在なんだよな……




「撮影が終わったら、この景色も見られなくなるんだな……」
「そう思うと、少し寂しいね」
「ああ。もうちょっとだけいたくなるよなぁ」
 私も、紺之君や果鈴さんと同じ気持ちだった。
 この瞬間が、あまりに楽しすぎるから……
 もっと続けばいいのに、と願ってしまう。
 もちろん、無理だって分かってる。
 それでも、つい星に願いを託してしまうほど、この島での生活が楽しい。
 足音が聞こえて顔を向けると、いつの間にか有村先輩が隣に来ていた。
「ふふっ」
 目が合うと、お互いに小さく笑ってしまう。
 有村先輩が手を伸ばすと、指先がちょん、と触れた。
 そうして何度か、感触を確かめるように触れて……
 有村先輩は、私の指先をきゅっと握った。


ズッ友4人全員が同じ気持ちなの、無理じゃない?
全員この瞬間の気持ちを、これからの人生を歩む上で、心のどこかに必ず存在するっていうのが無理すぎるよ。

みんなで一緒に過ごした時を、それぞれの胸の暖かい記憶として存在し続けるの……なんて言うか知ってる?
『青春』、って言うんだよ…………!



「さあ、目を閉じて。
 今日にバイバイしたら、明日とお友達になろう」

「ふふ……分かりました。寝ます。
 それで、明日とお友達になりに行きます」
「おやすみなさい、先輩。
 また明日も……いっぱい、笑いましょうね」

「おやすみ、雛ちゃん。
 …………………また、明日」



えっ!?



有村乃亜が………

有村乃亜が、「また明日」って言ったの……!?



本当に……?夢じゃない?



あんなに明日が来ることを疎う乃亜が、明日を受け入れて……る……う、ヴウ………、ゥン……;;




▼ Scene24『Summer island〜typhoon〜』

 俺には明日なんていらなかった。
 来なくて良かった。
 なのに……今は、明日が来る事をどこか楽しみにしている自分がいる。
 こんな風に思えるようになった理由は、分かっていた。

 いつの間にか俺の隣を占拠した。
 いつの間にか俺の隣にいる事が当たり前になった。
 雛ちゃん……彼女がここにいないというだけで、
 俺は今、どうしようもなく悲しくて寂しい。




ッ、アアアア……………




う、うぐ…………ウン…………。






何?なんかもう『有村乃亜ルートの感想』じゃなくて
『有村乃亜ルートをプレイ中の呻き声』とかにタイトル変えた方が良くない???




『明日』が要らない乃亜………。


ウグゥンンン!!!!
乃亜〜〜!!!!!
生きてくれぇえへへ、ぇえ゛………!!!




▼ Scene25『Summer island〜誰かの寝息〜』

「おやすみなさい、有村先輩」
 神様、お願いします。
 どうか、優しいこの人が、夢の中でこれ以上苦しみませんように。


乃亜雛って優しさの塊



乃亜が優しすぎるからいけないんだよ。
雛が優しすぎるからいけないんだよ……!



どうしてこんなに、お互いの事を想って優しくなれるの?本当にさ……ねぇ……。




▼ Scene26『Summer island〜fireworks〜』



南の島、12日目。


どうしよう、終わりが近付いている。
南の島から帰るの?本当に?
やめた方が良いのでは?
ずっとさ……このまま、南の島で……生活するっていうのは……どう、かな……!?



そんなこんなでシーンも折り返しです。


「4人って、本当の友達みたいに仲いいのね」
「え……そうですか?」
「ええ。すっごく自然で、映画の中の4人と変わらないわ」
 私達は顔を見合せると、満面の笑みを浮かべた。
「「ありがとうございます」」


南の島から帰っても、

4人は永遠にズッ友だかんね………ッッ!!




▼ Scene27『Summer island〜失敗だらけのキスシーン〜』

「……帰りたくないな」
 それは、有村先輩の本音のような気がした。
「私も、まだここにいたいです」
「じゃあ、このまま南の島で一緒に暮らそうか。
 何にも縛られず、自由に……」

 それができたら、なんて素晴らしいんだろうと思う。
 でも、私は「うん」とは頷けなかった。
 返事ができないでいると、有村先輩は困ったように笑って、私の頭を撫でた。
「分かってるよ、そんな事はできないって、でも……」
 それきり、有村先輩は黙り込んでしまった。


……もういいじゃん。

住みなよ、南の島。
わたしが許すよ。


もう月涙館に戻らなくていいって、
わたしが言うよ。




でも乃亜雛、駆け落ちなんて出来ないんですよね。
小さな小さな世界だけど、お互いその世界を手放すことなんて出来ないんだよ。
自分の持っているものを捨てていけない。自分たちの『幸せ』だけを考えて、情熱的に、自己中に、行動することなんて出来ない。2人ともそう。それが乃亜雛。


例えもし駆け落ちしたとしても、
「今頃悠翔はどうしているかな?」「澪たちは楽しくやっているかな」ってお互い話始めちゃって、やっぱり帰ろうかってなる。お手て繋いで、仲良く帰る。




▼ Scene28『Summer island〜泣き虫マーメイド〜』



南の島、14日目。


とうとうラストの乃亜雛キスシーン……!




を、無事に終えて『泣き虫マーメイド』、クランクアップです!お疲れ様でした〜。



最後のキスシーン、
「ふり」だけだったはずなのに
しっかり雛のファーストキスを奪っていく乃亜。

雛に最高のファーストキスをありがとう、乃亜。



「ねぇ……今日で僕達は恋人じゃなくなっちゃったけど……
 このまま、本物にしちゃわない?」
「僕と雛ちゃんは、今から本物の恋人になる。
 どうかな?」

 私は、その言葉を待っていたのかもしれない。
 だって今、私の胸から有村先輩への気持ちが溢れて、止まらないから。
「……っ……好き、です」

 私は今日、キスをしました。
 満天の星空の下で、ふたつ分の心臓を
 ふたりでドキドキさせながら、キスをしました。
 その感触を、その気持ちを、その一瞬を、
 私は、これからも忘れる事はないでしょう。
 だって初めてのキスは、初めて好きになった人とできたのだから……。




〜二人は幸せなキスをして終了〜




Blackish House ←sideZ
有村乃亜ルート




  終


 制作・著作
 ━━━━━
  ⓃⒽⓀ





ありがとうございました。




これほど綺麗なHappyENDがありますか?



南の島の恋愛過程、
本当に丁寧で、1日1日が愛おしくて、ドキドキして、とっても素敵な乃亜ルートでした。

先人たちが「乃亜ルートは名作」だと言い続ける理由が、私にも分かりました。
最高のルートをありがとう……!



それでは、ラスト!

全体感想にて、
お会いしま…………



…………。



……分かってるよ。


そうだね。




ここから、なんでしょ?


有村乃亜ルートの真骨頂ってのは……。






ところでここの

「だめ。……もっとドキドキさせて?
 雛ちゃんにドキドキして、心臓が壊れるなら、それでいい」
「ねえ、僕の心臓を壊すくらい、ドキドキさせて」
「……」

 今度は躊躇う事なく、ちゅっと音を立てて触れられてしまう。
「そんなの……ずるいです。
 先輩より、私の心臓のほうが壊れちゃいます」

「それは困るね」
 見た事もないほど、幸せそうに笑う有村先輩。


見た事もないほど、幸せそうに笑う有村先輩……。



そっか、そっかあ…………!


それでも私は一周目では、雛が「好き」と伝えたのに有村先輩から「好き」と言われてないことにやはり疑心暗鬼になってたんですよね。
「え……?これ本当に両思いなのか……?」ってなってた。
本当にごめん。
乃亜の気持ち、今なら分かるよ。



〜乃亜視点〜

 初めて、欲しい……と思った。
 奪われてしまうと分かっていても、手を伸ばしたくなったんだ。


乃亜の気持ち、今なら……分かるよ……っ







注:この先のルートは地獄です。


ここから先の語彙が、『ふたりで一緒に死ぬしかない』しかなくなりますが、私は正常です。正常じゃないのは、乃亜ルートです。



▼ Scene31『彼を縛る鎖』



南の島から帰ってきて、アパートメンバーに付き合ったこと報告して、学年混同演劇の稽古が始まって……。

そんな幸せな恋人生活を送ってる乃亜雛ですが、
乃亜くん、ここで実家帰りを拒否し始めます。




いや実家な…………。
来たよ、実家問題…………。

確かに実家に帰らなくてもいいとは言ったけどさ、ね……?帰らないとだめなんだよ……。



「有村先輩、こっちのスープもおすすめです。
 よかったら、飲んでみてください」

「ありがとう〜」
「…………っ」

「どうしたんですか?」
「これ……美味しい」
「えっ……」

「有村先輩……もしかして……」
 全部を口にしなくても、私が何を言いたいのか分かったみたいで、とびきりの笑顔で、こくんと頷いた。



乃亜、味覚が…………ッ



乃亜の味覚障害ってストレスから来るものなので、
実家帰りをしていない今の乃亜はストレスフリー……ってこと。


雛のご飯を美味しく食べることの出来る乃亜にさ、実家帰りな、なんて……言えるわけないじゃんね……



「乃亜……何かあったら言って」
 背中にかかる声は、今の俺には酷なほどにあたたかい。
 ダメだ。ここで弱さを見せたら。
 俺はもう二度とあの人が待つ家には帰れなくなる。

 藤吾の微笑みはどこまでもあたたかった。
 差し出された救いの手を跳ねのけるように、
 俺はうすら笑いを浮かべながら、藤吾に背を向け歩き出した。
 明日の俺は、今日みたいに笑っていられるのかな。



ま、まだ大丈夫……まだ大丈夫だから……。



ここの立ち絵の演出、遠近法を使っててすごいなって思ったんですよね。
藤吾の横を通り過ぎる乃亜、そのあと乃亜の表情を全ては見せないように立たせて、藤吾の差し出した救いの手を跳ねのけるの……。



救いの手を差し出してもらった乃亜が、どんな表情をしていたかなんて誰にも分からないんだ……。




▼ Scene32『抜けない棘』




もうだめ。もう地獄。
もう進めたくなさすぎる。たすけて。




文化祭準備。乃亜倒れる。保健室にて乃亜の薬を奪った女、確認。病院に運ばれる乃亜。



満を持して………………




\\クソ、再来//





本当にやだぁ……嫌いなの……
わたし、この女……きらい……
乙女ゲームにおけるサブキャラ女で、こんなにも嫌いになった女いないよ……すごいよ……



 シーツをまくって、有村先輩が先にベッドへと寝転がる。
 と、よれたシャツの隙間、有村先輩の鎖骨あたりに赤い斑点のようなものが見えた。
「有村先輩……それ、どうしたんですか?」
「え……何が?」
 私が指さす先へ視線を流した有村先輩は、急に手でその場所を隠した。
「何でもないよ〜」
「でも、それ……どこかにぶつけたんですか?
 アザですよね? 赤くなってて痛そうです」

「雛ちゃん、僕は君のその無垢さに救われてるよ」



クソ!!!!!!!!!



突っ込みたいところ、ありすぎる。






まず雛!!!!

おまえ……おまえ……っ!

お願い、ちょっとこっちに来て。
教えてあげる。
『赤い斑点』が、なんなのか……教えてあげるから……
つらい。純粋無垢な雛がつらいよ。




そして有村。

おまえ……おまえに関してはぁ!!

演技怪しすぎるよ!!!
「え?何が?」の部分のボイス、怪しさしかない!!
もっと!!隠せ!!!頼むから
雛を傷つけないでくれ。


いや分からんもしかしたらこれが乃亜のSOSなのかもしれない。どっち?ねえ
「僕は君のその無垢さに救われてるよ」
じゃないのよ…………。




本当にクソさぁ〜。
ここの一周目、乃亜視点がないのでここで初めて『乃亜とクソが肉体関係を持っている』って確信出来るシーンなんですよね……。
確かに今までも怪しかったけど、確定演出なのがコレ……。


私は攻略対象が有象無象のモブと遊んでます〜くらいなら気にしないタイプなのですが、ちゃんと名前付きで立ち絵もあって、しかも乃亜はその女とだけ関係を持ってるの……キツ、かったなあ……。



 月宮さんの顔を思い出すと、背筋がゾクリとする。
(まさか有村先輩、咲乃さんに叩かれているんじゃ……)
 恐ろしいことを想像し、私は身を震わせた。



雛………(哀)



雛はさ〜、『家族』を持ってないから。
物語上の、誰かの手によって書かれた『家族』の形しか知らないんだよね。

物語における家族の形って、紆余曲折あっても心のどこかでは思い合っている姿しか描かれないからさ……
実際、壊れた『家族』の形もあるんだよ、って想像も出来ないんだろうな。




▼ Scene33『property』



文化祭当日です。

閉じ込められて2階から飛び降りたことにより、足を痛めてダンスシーンやばい!ってなった雛なのですが、



 優雅な音楽に合わせて、踊り始める私達。
 すると――。
(うッ……! 足が……)
「大丈夫か」
 音楽に合わせて身を寄せた宇賀神先輩が、耳元でそっとつぶやく。
 私は視線でごめんなさいと伝えると、振り付けに戻った。
(足がうまく動かない……!)
「俺に身体を預けろ。お前はつま先を床につけているだけでいい」
 そういうや否や、宇賀神先輩は私の身体を引き寄せてクルクルと踊り始めた。



待っ…………澪雛……!!?!?



待って待っ、待って!?
気を抜くと澪雛に感情の全てを持っていかれてしまうの、本当にやめたい。れ、澪雛!!?!





雛が閉じ込められてたことなんて知らないはずなのに、本番中に雛が足を痛めていることを見抜いて身体を引き寄せる宇賀神先輩、い、いやむり……待ってくれ……





やっぱさあ、だめだよ。
澪雛は。




このルートの澪雛は、ニアミスだったと思うんですよね。
あともう一歩だった。
あともう一歩2人が近付けば恋に落ちていた。





乃亜ルートでそんなこと考えるのやめませんか?



はい……………。




▼ Scene34『姫崎藤吾の憂鬱』



……姫崎、涼宮ハルヒなのか?



シーンタイトル、秀逸すぎるでしょ。


(それだけ)




姫崎と乃亜、互いのルートでソロスチルがあるのですが、この2人のルートでの役割、良いな……と思う。
姫崎ルートの乃亜も、乃亜ルートの姫崎も、彼を知るために居なくてはならない人物だし、動きとしても必要不可欠な存在。

澪くん悠翔が互いのルートに深く関わっているのと同じように、姫崎乃亜も同じような扱いなのかな〜と思った。最高じゃんね。




ところでシーンタイトルにもなってる『姫崎藤吾の憂鬱』……。
もう『憂鬱』って言ってる時点でさあ……!


姫崎さん、めちゃくちゃ感情あるよね………!!




▼ Scene36『ゆめのうらがわ』

 ああ、そうだったんだ。
 俺は、とっくの昔に彼女と出会っていたんだ。
 それも人生で一番最悪な、あの辛い夜に。
 俺は目を閉じることなく、静かに涙を流した。



しんどい。無理。



突然致死量レベルの過去の出会い流すのやめて。死んじゃうじゃん。



「だいじょうぶ。だいじょうぶだよ」
 ……だいじょうぶ。
 父さんや母さんがいなくなっても、あの惨劇を思い出しても、心臓が苦しくなっても……俺はだいじょうぶでいられるのだろうか。
「……だいじょうぶ」
 何度も何度も繰り返す。
 俺は……『だいじょうぶ』。
 彼女の声を聞いているうちに、俺は自然と眠りに落ちていた。



………しんどい。



だから……言ったじゃん……!!?
聞いてた!?わたしの話…………。


過去に何かある子たちには、ドロドロに弱いんですよ……


 何があったのかはわからない。
 わからないけど、私ができることは――。
「……大丈夫ですよ」
 そうつぶやくと、優しくとんとんと背中を叩く。
「っ……」
「有村先輩?」
 身体が震えると、かすかに泣き声がする。
 最初は気のせいかとも思ったが、嗚咽がだんだんはっきり聴こえてくる。



しんどいしか言えなくなっちゃった。
だって無理じゃん、こんなの。
どう考えても無理じゃん。人生。




幼い頃乃亜雛が出会ってたことを乃亜に伝えたクソ、これだけは唯一ナイスな行動だったと認めてもいい。
その後の乃亜に縋るような声が、本当に歪んでて凄いなって思ったのも、認めてもいい。でも嫌い。




辛くて、辛くて、どうしようもなくて、乃亜が閉じ込めてしまった記憶。
優しかった雛の手。乃亜が眠れる理由。
全部全部答え合わせの2周目。

私の目からもボロボロと涙が溢れてるよ。




1周目の乃亜、
4人で遊園地デートして、その後は実家行くから!って言ってたのに急に帰ってきて、雛に縋りついて泣き始めるから何事かと思った。本当に。
2周目でこんな大事な彼視点が追加されるなんて聞いてないじゃん。



『どうして遊園地後の乃亜が、実家を蹴ってアパートに帰ってきてからずっと泣いていたのか』。



この真相をプレイヤーだけが知る事実、あまりにも狡い。




「雛ちゃん、だったんだね。
 雛ちゃんは、ずっと俺を助けてくれていたんだ。
 ずっと会いたかった――」

 すごく、会いたかったよ……、雛ちゃん。




;;;;


ずっと泣いてる。




幼い頃、乃亜に伝えた『だいじょうぶ』
そんな出来事なんてとっくの昔に忘れているはずなのに、
今の乃亜にも変わらず伝え続ける『大丈夫』



変わらないんだぁ、雛は。
今も昔も、ず〜っと、あの頃の雛のまま。




伝え続けてくれる『大丈夫』に、変わらない雛の優しさに、乃亜がとれほど救われたことか。




 ふと目が覚めて、目の前で眠っている有村先輩を見ると、その瞳からは涙が零れていた。
(先輩……)
 起こさないように涙を指先で拭って、冷たい手を握る。
(有村先輩を苦しめるすべてのものから、彼を救い出したい。
 それが私にできるかわからないけど……)
「……大丈夫ですよ。
 怖い夢は、私が今からやっつけにいきますね」



こんなに優しい物語なのに、
まだ地獄は終わらない。



終わらない。しんどい。




ところでこのシーンではズッ友で遊園地に遊びに行くのですが、そこでの乃亜、本当に心からはしゃいでるからさあ……。
乃亜の中でも、あの夏の2週間、この4人のことはかけがえのない大切な宝物なんだなって思うと、本当に苦しいです。
本当にズッ友と一生遊んでいて欲しい。
仲良くワイワイしていて欲しい。それだけでいいのに。



ところで遊園地の新規背景、
本当に有村乃亜ルートでしか見なかったんですけど、
まさか乃亜との遊園地デートのためだけに、あんなに背景追加したんですか!?
ちょっと手厚すぎやしませんか……!?




▼ Scene38『彼が守りたかったもの』

「少しの間離れていただけなのに、すごく寂しかったです。ちょっとがっかりすることが、多くなっていたので……」
「先輩の顔を見ただけで、安心します」

「……」
「先輩?」
 なんだか先輩の様子が変だ。
 いつものように優しく笑ってはいるけど、無理して笑っている気がする。
(疲れた様子を隠しているようにも見えるし、どことなく痩せた?)
 見つめていると、先輩は私にたずねた。

「ねぇ、雛ちゃん。
 俺と一緒に死んでくれない?」





ぐッ、う、うう……うっうあ……



;;;;;;





「俺と一緒に死んでくれない?」




この台詞を聞いたあの日から、私の胸の奥に刺さって抜けないよ。



有村乃亜の身に何が起きているのか分からなかった1周目、それでもこの台詞は、限りなく乃亜の本音に近しいものだって、分かってしまったから。

乃亜がもう、生きることに希望を持てないこと、死んでしまった方がマシだと思ってること、このひと言で全部伝わってきて、わたしは泣いた。



すべてが明らかになった2周目、雛の仕事が奪われていく中で、どうしても彼が守りたかった雛の未来。真っ向から戦ったのに、どうしようもなかった現実。クソがいることで、雛が潰される可能性。
でも多分乃亜はそう考えてない。
『自分がいるから』、雛の未来を奪ってしまうんだって考えてる。




どうしようもなかった。
乃亜は生きているだけでクソに搾取され続けるし、雛の未来も奪ってしまう。
無理だった。希望なんてなかった。






だからもう、
2人で一緒に、死ぬしかないんだよ。






無理して優しく笑っている乃亜に「俺と一緒に死んでくれない?」って言われたら、もう死ぬしかないんだよ。
雛がずっと掴みたがってた、乃亜の本音なんだよ。



1周目なんて特に、
これまでの乃亜はのらりくらりと、どれが本音なのか分からない、ふわふわ〜っとした発言しかしてこなかったからさぁ、
だから余計に、「俺と一緒に死んでくれない?」なんて不穏な発言が、ああ、本当はこう思ってたんだなって分かってしまうには十分なわけで。


しかも『俺』って言ってるしね。




これが、乃亜の本音。
『生きたい』って言わせてあげられなくてごめん。
『死にたい』を本音にさせてしまってごめんね。



「あーあ、また南の島に戻りたいな〜。
 悩み事なんてなくて、もっと自由に、楽になれる世界に行きたい」
「きっと幸せだな〜って、感じることができるだろうな〜……」


雛があんなに掴みたがってた乃亜の本音が、こんなにもポロポロ溢れてる。
2人で一緒に死ぬか、駆け落ちして南の島で幸せに過ごしてくれ。頼む。




 初めて恋をした。
 人を愛おしいと思った。
 彼女に触れる手が緊張で震えた。
 一緒に過ごす時間が大切だった。
 ――でも、それももうおしまい。
「明日言わないとな」
 そう呟いて、目を閉じた。

 助けて欲しい。
 誰でもいいから、俺を助けて欲しい。



2周目。
もう全部知ることが出来る乃亜の本音。



1周目で、乃亜の本当の気持ちを、雛と一緒に見つけ出してね、なんてずるいよ。
だって乃亜、こんなにも気持ちが溢れてるじゃん。
『助けて欲しい』って、言ってるじゃん……!



『死にたい』も『助けて欲しい』も全部全部乃亜の本音なんだよ。
掴んであげたいよ。
離したくないよ、この手を……。



「明日(別れを)言わないとな」の乃亜、声が泣いていたんだよ。




「そんなことをしても無駄ですよ。
 私は先輩を嫌いになりません。
 だから、やめてください」
「話をしませんか?
 何があったのか話してください。
 私の事を好きじゃなくてもちゃんと受け止めます。
 苦しんでいるなら力になりたい。
 私はあなたが大切だから」

「……」
「……ほんっと……そういうの萎える」

 呟くと、先輩の瞳から涙が零れ落ちた。



泣かないで、乃亜。


どうしようも出来ない俺が、唯一出来ること。
雛に別れを告げて、嫌われること……。
だったのに、雛が救いの手を差し伸べてしまうから。
藤吾からも、雛からも、乃亜を大切に想ってくれている人は、こんなにも救いの手を差し伸べてくれるのに、乃亜はそれを取れないんだよ。



お願いだよ、乃亜……。
その手を取ってほしい。





助けて、って言って。
生きたい、って言ってよ…………




▼ Scene40『坩堝』



別れを告げられたあと、乃亜はアパートに帰って来なくなってしまったので、雛は毎日毎日乃亜の実家を訪問します。

乃亜、もう身体が限界。だけどあのクソが乃亜を監禁してる。もうほんと嫌。死ぬしかない。乃亜と一緒に死ぬしかないんだよ。



「あの子に、乃亜が私のものだって、今から教えてあげるわ」
 月宮さんの手が、有村先輩の身体からブランケットを引きはがした。
「雛ちゃん……っ!」
 血の気の失せた身体にのしかかり、肌を密着させる。
「やめて。それだけはやめて。咲乃さん!
 お願いだから」



ここのさ、「雛ちゃん……っ!」ってとこ。
デフォ呼びがないから、乃亜の泣き声しか入ってないんですよ。



乃亜、泣かないでよ……。
もう泣かないで、お願い。
乃亜の泣き顔、もう見たくないよ。
笑っていてほしい。



 泣きそうな顔をして、私の顔を見る有村先輩。
 力なく差し伸ばされた有村先輩の手を取ると、きゅっと力を込めて握りしめた。
 その手は、あたたかい。
 こんなあたたかい手を持った有村先輩を、助けたい。
 この手が冷たくなる日が来るなんて……絶対に、嫌。
 先輩が私の事を好きじゃなかったとしても……
 それでも、生きていて欲しい。
「先輩……お願いです。諦めないでください……」
「生きる事を、諦めないでください……」
「私は、あなたが好きです。
 先輩が私の事を好きじゃなかったとしても……
 生きていて欲しいんです」

「私のものに触るなあっ!」
 月宮さんが私達に襲いかかってきた。
「先輩は……あなたのものじゃない。
 先輩は……誰のものでもない……!」
「あなたが先輩を傷つけるなら、私が守ります」




頼むよ、乃亜!!!



雛の手を掴んでくれ!!!!




こんなにも強くて優しい救いの手を、お願いだから掴んでほしい……っ……





乃亜!!!!!!
お願い!!!お願いだよぉ!!!




望んで……、くれ……!!!!






『生きたい』と、

望んで…くれ……ェ……!!




「先輩……お願いします。
 生きて……ください」

「雛ちゃん……」
 私はどうなってもいい。
 有村先輩さえ守れたら。

「……っ、助けて……」
「先輩……」

「……生きたい」

 その一言に、涙が止まらなくなった。
 やっと、見つけられた。




乃亜ーーーーーーー!!!!!!!





乃亜……っ、乃亜…………;;






『生きたい』。





『生きたい』、よね……っ……!





乃亜が、助けを、求めてくれる。

これがどんなに大きなことか。





泣くしかなかった。

ようやく絞り出した、
乃亜の本音が聞けたこと、


『生きたい』って言ってくれたこと。


泣くしかなかった。





『生きたい』と言ってくれたその一言で泣けるのは、後にも先にも有村乃亜と、ニコ・ロビンだけだよ。




▼ Scene41『DEAREST』



ここのシーンタイトル、『最愛の人』だったんだ……。




有村乃亜ルートは、まだ終わらない。




ようやくクソの手から逃れられた乃亜。
雛ともう一度やり直したくて、告白して。手術を受けることを決めて。もう全部がうまくいくよね。そうだよね。そうだと言って。



「うん。生きるよ。雛ちゃんと一緒に生きてみたい」
 先輩は私の身体をぎゅうっと抱きしめた。
「俺、ずっと雛ちゃんに言いたい言葉があったんだ」
「私に、ですか?」

「雛ちゃんが好きです。
 もう一度、俺の彼女になってください」

 有村先輩は、恥ずかしそうに微笑んで、私に言った。
 その言葉は、初めて先輩が口にする言葉で……。
 はじめて贈られた『好き』という言葉に胸がいっぱいになって、思わず涙がこぼれた。
「わ、私も先輩が好きです」



……っ、;;;;




ずっと言ってくれなかった『好き』を
ここで持ってくるのは卑怯だよ。



ずっとずっと待ってたよ。
乃亜が、ただ素直に、本心で雛に「好き」って言える日をさ……。



 零れ落ちる涙を拭おうとすると、先輩の細い指が目尻に触れ、優しく拭ってくれる。
 それでも、涙は止まらない。
 そんな私を見て有村先輩は、小さく笑うと手を伸ばし、私を腕の中に閉じ込めた。

 もう一度、勇気を出して「好きです」と言うと、
 今度は先輩の瞳から、宝石みたいな涙が零れ落ち、
 私達はお互いに、「泣き虫」と言い合って、微笑み合った。





君があまりにも綺麗に泣くから
僕は思わず横で笑ったよ
すると君もつられて笑うから
僕は嬉しくて、泣く






(急にどうしましたか?)
(この一連の文章がとっても綺麗で、有心論すぎたので……)





というか乃亜、このシーンから基本的に『俺』なんですね。
気付かなかった……!今気付いた。
乃亜が『俺』って言うところ、いつも見逃してしまう




「有村家という、小さな世界で俺と咲乃さんは育った。
 ふたりきりの世界で敵から互いの身を守り、咲乃さんは俺を守るために傷を負った」



でも私、正直に話すと……



乃亜とクソの関係、嫌いじゃなかったり……する。




ふたりきりの世界で、歪だったけど、確かにそこに愛はあったから。


これ、クソが道を外してしまっただけであって、クソ視点のゲームで、ふたりきりの世界から一緒に飛び立とう、っていうシナリオだったら、
私はこのふたりを推しカプにしていたかもしれない。




……というかこれ、悠翔もこういう関係に陥ってしまってもおかしくなかった。


一歩踏み間違えちゃっただけなんだよな。クソ。
世界の作り方を間違えてしまった。
共依存のまま、成長しようとしなかった。



やっぱり悠翔だなあ、と思う。
道を踏み外してしまった悠翔と雛の未来。



悠翔は、道を間違えないでくれよな……!




▼ Scene48『私だけのファントム』



そして改めてクソと決別して、
乃亜とつかの間の幸せを育んで、
クリスマス。


 突然、おでこにキスをされて戸惑ってしまう。
 肩をぽんっと叩くと、悠翔の横を通り過ぎていく。
「君がこんなに美しいクリスティーヌに育ててくれたんだね。ありがとう。
 でも、遠慮なくもらっていくね」

「えっ……」
 一瞬、何かを耳打ちしたような気がしたけど、
 そのまま部屋を出て行ってしまった。
「……」
「今、何か……」
「何も言われてないよ。
 それで、準備はできてるのか?」

「大丈夫だよ」
「そっか……」
「悠翔?」



悠翔をオーバーキルしないでくれ、乃亜。



辛いじゃん。もうやだよ。
澪くんに浮気したり、悠翔のこと考えてしまうの、辛いよ。




そしていよいよ本番。クリスマス公演。

乃亜は本番には出れないから、どうするんだろうな〜って思ってたのですけど……


 ステージ上にいるクリスティーヌにゆっくりと近づくドン・ファンになりきったファントム。
 だけど、そこで気づく。
(えっ……)
 目の前から発せられた歌声は、
 練習の時に聞いたものと違っていて……。
「君はここにやってきてしまった。
 私がここに君を呼んだ……」

(有村……せん……ぱい……?)



ここ、普通に読み進めていくと
「目の前から発せられた歌声は〜」のあたりで乃亜が歌唱してる挿入歌が入ってくるんですよ。




そしてさらに読み進めていくと、


「たった一つの愛を、一度きりの人生を私と分かち合って欲しい。この孤独から……」
(そうか。あなたはファントムだったのね)
 孤独な中で救いを求めていた。
 味覚や眠りさえ失っても、耐えていた。
 生きる事に意味があるのと言いながら、あなたは生きたいと願っていた。
 そして、生きる道を選ぼうとしてくれた。
(私は、有村先輩のクリスティーヌになれたのかな……)
 光の道など望んでいない。
 あなたと歩くなら、暗闇でもきっと幸せね。
「私を救って欲しい……」
 闇を選ぶわ。
「そして、君と共に生きたい。
 君がどこへいこうとも、私もついていく。
 ……俺の望みはただそれだけだよ」



ここで、サビ。




もうね、めちゃくちゃ泣いた。



乃亜の、優しくて、感情が直接伝わってくるような力強い歌声。
それをBGMにして、重なる台詞。



ボロボロに泣いたよ。





「汚れた手を この手を掴んで 
 寂しくて 凍えてた 暗闇から連れだして」

「君のそばで 温もりに身体を預けたい
 喜びも悲しみも 2人なら分け合っていけるから」

「この手を 掴んで欲しい」





sideZの挿入歌The Phantom of the Opera
他のルートでも共通して流れるので
なんで乃亜が歌ってるんだろうな?って
ずっと思ってたんですよ。



乃亜が歌ってくれて、良かった……。



本当に歌詞が、乃亜ルートそのままだからさぁっ……


ずっと泣いてた。
本当にこの曲、だいすき。


この曲だけ改めて聴いても、泣いてしまうくらいだいすき。




急遽舞台に登場した乃亜のせいで、裏方は大慌て(主に悠翔)だったらしいのですけど、クリスマス公演は無事終了。


「……はあ、のあが出てきたせいで、
 立ち位置とか変わってるし、
 すぐにはるが演出変えてくれたからなんとかなったけど……」

「うん。そこは桜坂君を信頼してたから」
「えっ……俺をですか?」
「そうだよ。君なら必ずやり遂げてくれると思った。
 クリスティーヌを輝かせるためなら、ファントムは何でもやるでしょ」

「悠翔はファントムじゃないぞ?」



悠翔は……ファントムじゃ……な……ウッ



これ以上はもう……言えません……
悠翔の話はやめてください…………




乃亜、たぶん悠翔の本質を一番最初に見抜いた人だと思う。
それは『誰かへの執着』を生きる糧にしていた人間が、周りにちらほら居たからだよね……。






さあさあクリスマス公演が無事に終了したらHappyENDに定評のあるBlackish Houseさんですが、
乃亜ルートは……まだ……終わりません……!!


なんなら乃亜ルートにおけるクリスマス公演ってそんなに重要度高くない。そんなことをしてる場合じゃない。


 わずかに唇が首筋に触れると、身体が自然と反応してしまう。
「先輩。今はダメです……ッ」
「じゃあ、いつならいいの?」
「それはもちろん、手術が終わってから……」
「手術が終わって……? 本当に終わるの?
 これが……最後かもしれないのに……」

 有村先輩の手が、ぴたりと止まる。
 ううん……震えている。
「もう、帰ってこれないかもしれないのに……」



泣かないで、乃亜……。

もう怖いことなんてなにもないよ。
あなたを縛っていた鎖は全部、雛が解いてあげたんだよ。


だから泣かないで、乃亜………。


「ごめんね……、今のは忘れて」
(そっか、有村先輩は優しいから……優しすぎるから、自分が怖がってる事を、私に悟らせないようにしてたんだ)
 でも、その仮面は今、剥がれ落ちた。

「あなたの恐怖に気づいてあげられなくて、ごめんなさい……」
「先輩は、必ず帰ってきます。大丈夫です」
「だからこれからも、たったひとつの愛を、一度きりの人生を、私と分かち合いましょう」
「私と一緒に、生きていきましょう」



雛………ッッ!!



最高に強い。
もう最高の女だよ。



強い女、嫌いなプレイヤー居ないでしょ。




欠点だらけのBlackish Houseのメンズ、攻略するにはこちらが強くならなきゃいけないからね。
どのルートに進んでも雛は最高だけど、でも乃亜ルートの雛が一番強い気がするよ。
強い気持ちを持たなきゃ、乃亜は救えないので、、




▼ Scene49『鼓動』

「宇賀神先輩! 姫崎先輩! 終わりました!
 手術、終わりましたよ!」

 ふたりを揺すると、すぐに起きてくれた。



乃亜の手術日です。

幼なじみふたりと雛の3人でず〜っと見守ってた乃亜の手術………




結果は………!!?



「乃亜はどうなんですか!?」
「成功したよ。もう大丈夫だ」
「そう……ですか」
 あの姫崎先輩が、本気で安堵している。
 あんな笑顔、初めて見た。

「良かったぁ……!」
「おい、座り込むな!」
「だって、だって成功ですよ。
 生きてるんですよ。嬉しくって……」

 子どもみたいに泣いてしまう私を、姫崎先輩が支えてくれた。
「今日くらいは……泣いてもいいよね? 澪」
「まったく……仕方のないヤツらだ」
 そう言う宇賀神先輩の目にも、少しだけ涙が浮かんでいたけど……それは、私と姫崎先輩の秘密だ。



成功……したよ………っ



乃亜が、乃亜が生きてる……………っ




これは私の感想なので、
初回強制BADを無視して
HappyENDから書きます。絶対です。
BADENDなんてない。
乃亜が死ぬ未来なんて、ないよ。




ここの3人のシーンだいすきなんですよね。
特別仲が良いってわけではないんだけど、たった1人のために必死になれる3人。
み〜んな、乃亜のことがだいすきな3人。
一緒に見守って、成功を見届けて、病院を出て初日の出を「綺麗だな」って感じることの出来る3人。



本当に……良かった……!!





というか……!姫崎!!!




…………泣いたの?



あんた、泣いたの………………???




か、感情………取り戻したの……??




sideAであんなに頑張った……姫崎ルートって……一体なんだったの……!!?
乃亜ルートでもいいんじゃん!?
姫崎のことも救えちゃったよ。




▼ Scene50『あなたが帰る場所』



ラストシーン……!!!!



本当にながい。
文章もかつてないほどながい。


本当にお付き合いいただきありがとうございます。
ここまで約3万字。




手術が無事終わって、日常。
由衣さんと、華純さんと、呑気にお料理している雛でしたが、


「おい! 亜麻乃はいるか!」
「は、はい!」
「病院に行くぞ」
「え……」
「乃亜が、目を覚ました」



ここの!乃亜が目を覚ましたことを真っ先に伝えに来てくれる澪くん、めちゃくちゃ良い。



認めてくれたんだな〜と思う。乃亜の身内として。
幼なじみ3人の中に、雛も入れてくれているのがとっても良い。



しかもここから、
Blackish House sideAのエンディングがBGMとして流れてくるんですよ。



もうさ、泣くしかないじゃん。
何回泣いてるの?乃亜ルート。
仕方ないじゃん。
だってさ、乃亜が生きてるんだよ……!



乃亜が!!
生きてる未来にたどり着けたんだよ!!!



「良かった……良かった……」
 ぽろぽろとこぼれる涙。
 拭わなきゃって思っても、嬉しくてそれどころじゃない。
 感情と同じように、涙は次々と溢れてきた。
「ありゃりゃ。大泣きだねぇ」
 有村先輩はクスッと笑って、両手を広げた。

「泣き虫なマーメイドさん、おいで」

 あの夏の日、全力で走って追いかけた背中を思い出す。
 でも、今はこっちを向いている。
(……行かなきゃ、彼のところへ)

「おかえりなさい……!」
「ただいま」

 視線を交わすと、私達は泣きながら笑って……
 世界で一番幸せなキスを交わした。





あああああああああ




おめでとう……おめでとう……おめでとう……、



ああああああああああ





乃亜……乃亜雛…………っ、


ぐ、っ…………幸せ、に、なって゛え゛




しあわせに、なってえ…………!!!





世界で一番幸せなキスを交わしてHappyEND!!


これ以上幸せなENDなんてある???ないよ



大好きだよ、乃亜雛……………………





ここで入るエンディング、
初っ端の歌詞が『星を見上げて ふたり寝転んで』で始まるもんだから、乃亜雛のための曲かと思った。
……多分乃亜雛のための曲だったよね?


sideZのエンディング曲、好きなんですよね……
優しくて、泣きたくなる。





▼ Ending01『My heart beats for you』

 この音が、ずっと嫌いだった。
 だってこれは、俺の命の在り処を教える音だから。
 でも、今は雛ちゃんと生きていくために、
 共に歳を重ねるために刻まれている。
 なんて素敵な音だろう。
 こんなに幸せな事ってあるんだね。
 嬉しすぎて胸が苦しくて、幸せで死にそうになる……なんて、知らなかったよ。
 知らない事がまだたくさんあって、
 それを教えてくれるのは、俺の大事な恋人。
 きっと雛ちゃんといれば、これからも、知らなかった事を知っていけるのかもしれない。

 そう思うと、明日が、未来が、
 楽しみで仕方なかった。


明日が要らないって、未来なんてなくて、生きる希望を失ってしまっていた乃亜がさ、「明日が、未来が、楽しみで仕方なかった」んだって……。


うう…………;;;;




HappyEND、迎えられて良かった。
生きる希望を持ってくれて良かった。




 for the future――
    ――years later


 悠翔に手を引かれ、歩く。
 隣には那由多がいて、時折、私の顔を心配そうにのぞき込んでいた。
 一歩、一歩、彼がいる場所に近づいて行く。

 ずっと私のそばにいてくれたふたり。
 家族がいない私に、神様が与えてくれた家族。
 今日、私に新しい家族が出来る。
 それでも……
「これからも家族でいてくれる?」
 と聞くと、ふたりは「当たり前だ」と笑ってくれた。
 その言葉に、涙が溢れて、零れる。

 悠翔が右手を、那由多が左手をとる。
 ふたりのぬくもりがあたたかい。
 私にはふたりの父親がいる。
 悠翔と那由多。
 ふたりに手を引かれ、
 私は、あなたの元に今から行く。




………………ッッッッッ



(致死量)





いや無理だった。
無理、だったね。

私の初見の感想言っていい?




「いや、ずる!!!!!!!」




でした。




ずるいよ。
演出もずるいし、今までの思い出スチルも流してくるし、なにより結婚式まで描かれているのなんて、乃亜雛だけだもん。ずるいよ。
みんなのバージンロード、描いてよ。



何度だって、悠翔と那由多に手を引かれてあなたの元へと歩んでいきたいよ。




いいなあ……!!!
「私にはふたりの父親がいる」ってところ……。
本当に……良い……。


わたしも自分の結婚式でふたりに手を引かれてバージンロード歩みたいなあ……!?
たのむ、私の右手を、左手を、取ってくれないか?悠翔、那由多…………。
「それは……ちょっと……」「……」



 右の扉を悠翔が、左の扉を那由多が押すと、
 目の前が光で溢れる。
 扉が開くと、ふたりに手を引かれ……
 一歩
 一歩
 歩いて行く。
 少しずつ、少しずつ、あなたとの距離が縮まる。
 まだ恥ずかしくて顔を上げられない。
 今までいろんな事があったね。
 嬉しい事も、悲しい事も、つらい事もあった。

 ねぇ、もう信じてもいいよね。
 私達は、ずっと一緒にいられるんだって。
 永遠なんだ、って。

 悠翔と那由多が歩みを止める。
 ここからは、私、ひとりで歩いて行かないといけない。
 あなたの元へ……。
 もう一度、悠翔と那由多の顔を見ると、力強く頷いてくれた。
 私は、一歩踏み出す。
 そして、また一歩、一歩と近付いていく。
 そんな私を待つあなたの手。
 その手に私の手を重ねる。
 あたたかい。
 このあたたかさが愛おしくて、胸が苦しくなる。
 また泣きそうになる私に、あなたは言った。

「泣き虫なマーメイドさん、おいで」

 その言葉に顔をあげると、私を待っていたのは……。
 私の大好きな笑顔だった。



;;;;;;;;




……………………。





何も言うことがない。


凄いものを見た。




ここの演出、今までの乃亜ルートのスチルを挟んでくるの。テキストの合間に。
BGMはThe Phantom of the Opera



はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、
もう、ボロッボロ。



私が一番泣いたのは久世円ルートですが、
泣いた回数が多いのは圧倒的に有村乃亜ルートだよ。




ずっと泣いてた。
苦しかった。



乃亜が「死にたい」って言ったときや、泣き顔しか見れなかったとき、本当に苦しかった。



もう、でも、

このエンディングを迎えられたならさぁ……。




ぜんぶ、良かった……ってこと、だよね……!!!





お疲れさまでした。

ありがとうございました。

最高の物語をありがとう。




乃亜雛、永遠になれ―――。







さあ他エンドの感想行きます。

(まだ続くの……!?)





▼ Ending03『ねがい』



BADきついきついきついきつい無理無理無理無理きついきついきついきつい




※ここから先に生きている乃亜はいません。





あーーーほんときつい。
こんなにきついことある?いつもだよ。




End3は監禁されている乃亜のもとを訪ねたら、クソに拘束されて、そのままクソとのセッッを見せつけられる雛。


「もう、十分だろ。これ以上、はやめて……
 お願いだから……」

「嫌よ。その女の心がズタズタになるまで、やめないわ」
「ひどいよ……、こんな……っ!?」

 先輩には、笑っていて欲しかった。
 笑顔が可愛い人だから。
 とても繊細で優しい人だから、泣かせたくなかった。
 なのに……私の前で、先輩は泣いている。



人生ってこんなに辛いの?



乃亜の演技、本当に無理だった。
泣かないで、乃亜。
泣かせたくないのに……。



「雛、ちゃん……」
「ごめんなさい、私、何もできなくて……」
 泣きそうになっていると、有村先輩が震える手を伸ばし、私の手をきゅっと握った。
 この手に触れられる度、私は何度も心が震えた。
 嬉しくて、あったかくなって……これが幸せなんだって、理解した。
 私の、大好きな手。

「……殺して」
「っ!」
「この心臓が止まる日がくるまで、我慢しようと思った。
 でも、もう耐えられない……」
「ねえ、雛ちゃん……お願い……。
 俺を、殺して……」

 有村先輩の目から、涙がひとつ、落ちていく。
 目の前で、先輩が泣いてる。
 その涙を止めたいのに、私には何も出来なくて……。
 有村先輩は今、救いを求めているんだ。

「こんなこと頼んで、ごめんね。
 それから……ありがとう」



無理待ってほんとしんどい待って、無理だもうかくの無理そう。かくのやめる。終わり終わり終わりでーーーす





こんなに辛いのって、ない。




わたしは乃亜に生きていて欲しかっただけなのに。
その涙を拭いたかっただけなのに。




「殺して」、だなんて
言わせたくなかったよ……。




本当に無理




はぁ………………。


このBADが、一番すきなBADでした。

一番わたしの心が死んだBADでした。
傷跡を残されたBADでした。



「殺して」とあなたが言ったその日から
どんなにあなたの生きている姿を願ったことか。





ごめん待って、本当は他のBADの感想も書きたかったんだけど、

ちょっとさあ……!
無理だった。
もう乃亜の不幸を読み返せなかった。
ごめん。


乃亜、正規ルート以外は全て死ぬんですけど(これも敢えてそうしたって制作者さまが言ってた)(にくすぎる……!!)
もうわたし、乃亜が死ぬの、受け入れられないよ。




Ending5は特に、
強制BADを乗り越えて、2周目を乗り越えて、からのBADだったので、本当に心が辛かった。もういいじゃん、生かしてくれてもいいじゃん……って心から叫んだ。




BADから回収してベストに向かう
エンド回収順ですが、
個人的には
End4→2→3→5→1の回収順をおすすめしたい。


ちょっと……、1回幸せ挟まないと、心が死ぬんですよね。わたしも生きる希望を失ってしまうところだった。



実はBlackish Houseの他の方々も、End2から回収してBAD拾って、End1で締めてました。



絶対最初はハピエン行きたいし、
幸せな気持ちのまま終えたいじゃん……!?




ほんと、有村乃亜ルート……!
ほんとな……!!にくいよ。どうして。




▼ おまけ『月涙館ラブ☆ドキインタビュー』



心が辛いので、ラブ☆ドキインタビューでお茶の間を賑やかして終わろうと思います。


「第1問。
 『彼女といて何をしている時が一番幸せ?』」
「そんなの決まってるよ。
 男と女が2人きりでいてする事って言ったら一つでしょ? それをしてる時かな」

「ああ、お茶か……」
「……」
「……」
「澪、少し黙ってようか」

「あのね、澪。
 今時、中学生でもそんな事は言わないよ?」

「お茶じゃないのか……?」



^^^^^^




お茶の間、賑わっちゃったね^^^^




「君と出会うために生まれてきた気さえするんだよ。
 これから先の時間は、君にもらったようなものだ。
 だからね……」
「俺の残りの時間は全部君にあげる。
 よかったら、もらってください。
 愛してるよ。俺は君だけを愛してる」


ずっとさ……、
「俺の過去も未来もあげられないけど、『今』ならあげること出来るよ」って言ってた乃亜がさ……っ、


雛に、『未来』もくれたんだよ。





生きていてくれて、ありがとう。
生きることを選んでくれて、ありがとう。





大好き。大好きだよ。





わたしは君の笑顔を見つけるために、
何度だってぬいぐるみのお礼を言いに行くよ。





乃亜のさ、正面向いてにっこり笑って頬を赤らめてる立ち絵でしか救われない心がある。
本当に、本当に良かったねぇ……!となる。



たくさん泣いたよね。
たくさん辛いことがあったよね。



もう辛いことなんて何もないから安心してほしい。
安心して、雛の横で、ずっと笑っていて欲しいよ。



2人で一緒に死ぬ未来しかなかった乃亜雛が、笑いあって未来の話をしていること……。




わたしゃ、あんたのその笑顔を見るために、ここまで頑張ってきたんだよ。






▼ おまけ②小冊子の話



福利厚生でお付けしてくれた小冊子内に、
「乃亜雛は最初『生き別れの兄妹』という設定にしようとしてました」
的なことが書いてあって



ンンンン!!?!私そちらも見たいのですけど!?


ってなった。




雛の生い立ちがどのルートでも明かされなかったのって、ここが原因だったりする??
乃亜ルートの序盤の悠翔が乃亜雛アンチだったのって、ここが原因だったりする!?


ずっと気になってたんですよね。
雛の生い立ち。



どこかのルートで、「物心ついた頃には孤児院にいた」的なことを言っていたので、てっきり悠翔ルートで雛の生い立ちが明かされるのかと思いきや……そんなことはなかったし。

乃亜ルート序盤の悠翔が、何かある度に乃亜と仲良くする雛に対して複雑な感情を向けていたのも、もしかしたら悠翔は何か聞かされていたのかな……とか思ったり。

そもそも見た目も兄妹っぽくキャラデザされていたのかな……と思ったり。



乃亜雛兄妹設定、絶対絶対生かして欲しかったんだよな……!!


でも心臓病&味覚障害不眠症&家庭環境という属性てんこ盛りの乃亜に更に設定を追加したら、まじでもう……ね!?乃亜のお話だけでゲーム一本作成するボリュームになっちゃうよ。それもいいな。やりたいな。
Blackish House side乃亜……やりたいな!?






以上。
本当に本当にお疲れさまでした。

当ブログ最長の記事になったと思います。
す、すごいね……。
これだから馬鹿は要約出来ないから話が長くて困るね。

初めてはてなブログ 文字数」で検索したよ。



私はこの感想記事を、
将来の自分の自己満として残してるのですけど
果たして読み返す日は来るのでしょうかね……?




個別感想記事は以上です。


ラスト!
Blackish Houseの総評でお会いしましょう。


やちょうさんでした。